どうもリョウスケです
旅35日目
2023年5月9日火曜日
天気 晴れ
静寂に包まれた森を奥へと抜けると
やがて目に飛び込んでくるのが
古代の文明を思わせる、
レンガ造りの建物がひっそりと佇む風景。
ここは人の記憶から忘れ去られた
古に栄えた王国だろうか。
まるでジブリアニメを思わせる
その情景に、
心はずっとドクドクと鼓動が鳴りやまない。
ここはどこだろう。
ここはそう、『友ヶ島』である。
紀淡海峡にぽっかりと浮かぶ島、
古代のお城に見えたそれは
海外の侵入者を迎え撃つための砲台だった。
ここはだから、戦争の痕跡である。
人を殺すための大砲をたくさん収納し
いざという時のために、
常に海外からの侵入者を見張っていた。
多くの兵器がこの島に運び込まれ、
戦うために存在していた島なのだという。
それが、現代人である我々にとっては、
アニメの聖地にしか見えないらしい。
ともに船に乗ってやってきた観光客たちは、
揃ってイキイキと写真を撮る。
この画角がよりそれっぽいんじゃないか、
ここに〇〇(アニメキャラ)がいたよねとか、
わたしも含めみんなこぞって楽しそう。
これを平和ボケと言うのなら、
それはそれで別にいいのかもしれない。
兵器が身近なものじゃないからこそ、
ここはただの廃墟で、
アニメの舞台に酷似していて、
インスタ映えだと持て囃され、
とても人気の観光地となっているのだ。
それでいいのかもしれないが、
それでもやっぱり、
兵器だった現実を忘れていいわけではない。
この鼓動の高鳴りは、
間違いなく廃墟と化した建物を仰ぎ見て
その古代都市のような情景に
ぶるぶると興奮しているからである。
でも決して忘れてはならないこと。
ここは平和のための施設ではなく
人を殺すため、他国と戦うために作られた、
軍事施設であったということ。
その後ろ暗い歴史を忘れずに、
しっかりと胸に落とし込んだ上で、
その上で、
ジブリアニメに似ているだとか
アニメの聖地になったとか
インスタ映えをするだとか
いろいろと満喫できたらいいなと思っている。
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和歌山市の加太港から出発!
友ヶ島は紀淡海峡に浮かぶいくつかの島の総称で、この島は沖ノ島が正式な名称の、無人島である。
平日の朝一番の船にも観光客がけっこうたくさん。
このアニメの舞台として登場したらしい。好きな人にはここはアニメの聖地としても人気が高い。
ほとんど島は森に覆われていて、いくつかある砲台跡をすべて見て回るのに約3時間。アップダウンも激しい道のりなので、あまり気楽な感じで訪れると後々かなり辛い思いをするだろう。
将校宿舎跡。煉瓦造りなのに木造建築で不思議な建物
中は森
トンネルを抜けると、、、
この有名な景色。第三砲台跡
ここはおそらく格納庫
ゾクゾクする。非現実的な景色。まるでラピュタの世界。モデルになったとかならなかったとか、真相は定かではないが。
ここがおそらく砲座
一ヶ所だけ水に沈んだ砲座があって、どこか神秘的だった。
廃墟にしか出せない美しさがあると思う
展望台
島の半分は許可がないと行けないゾーン
第五砲台跡
まるで植木鉢みたい
車で走れそうにない道なのに、車がある
おそらく見張所
ここから見張っていたみたい
子午線
第一砲台跡
穴を発見!
第二砲台跡。どの砲台もすべて形が違うから見飽きることがない。
第二は一番劣化が激しく、近寄ることすらできなかった。
建物は使われなくなると朽ちていく。
粉々である。どうしたらこんなことになるんだろう。人為的に破壊されたとも書いてあった。これがその痕跡なのだろうか?
旅館跡地
これもまた廃墟だ。観光地として人気のあるいま、もう一度やったらうまくいく気がするのだが。
ようやく一周。じっくり見学すると五時間かかった。見応えたっぷり。もう一度いつかまた訪れたいと思う。
りす?