チャリ旅日記

旅のことや日常のことを気ままに綴るよ

そうだ、伊吹山に登ろう!

 


どうもリョウスケです

 

 

 

ある日、突然思いついた

そうだ、伊吹山に登ってみよう!

 


そんなことを急に思いつきで始めたものだから

あとで後悔することになるのだ・・・。

 

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伊吹山滋賀県で最も標高の高い

百名山の一つである。

標高1,377メートル

過去にスキー場として

冬季は賑わいを見せた山だったが、

経営不振で潰れて以降は、

もっぱらパラグライダーと、

登山客が主な訪問者となっている。

 


この伊吹山は、

私の自宅からほぼ正面にデカデカと聳えており

美麗な山の風景と

その百名山然とするその存在感は、、、

それでも私からすれば、

日常の見慣れた風景だったりして

特に感動もない。

きっと富士山の近隣に住む人々だって

私と同じ気持ちだろう。

毎日見てりゃ、

ありがたみも何もないのである。

 


だからなのだ。

だから少し舐めていたのだ。

 


旅で百名山に登るときは

十分な準備と覚悟を持って登るのに、

今回は、

ちょいと美容院まで

ぐらいの軽い気持ちで

明日休み、、、明日晴れる、、、んじゃ行くか

と前日になって決めた。

そのため適当な装備と服装と、

鈍った体そのままに

気付くと登山道の入り口に立っている。

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久しぶりの高揚感に身を包まれながら

鼻歌混じりで始めた登山は、

早くも開始30分

その恐ろしさが身にしみた。

 


いつもなら、「〇合目」と書かれた

看板が立っている。

それを確認することで、

一合目から十号目の山頂までの

いまどのあたりにいるかが大体わかり

登る上での目安にもなった。

ところが伊吹山は、

歩けど、歩けど

その看板が見当たらないのだ。

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これじゃわからない!

何やってんだ伊吹山は!

怠慢か?

 


運営事務局に抗議でもしてやろうかと

30分ほど鬱蒼と生い茂る森の中を

ひたすら登っていくと、

ついにひらけたところに出て、

そして、驚愕した。

そこに初めて「一合目」と書かれた

看板が目前に現れたのだ。

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え、、、ここが一合目なの!?

 


気が遠くなるような思いだった。

こんなに疲れて登って、

まだ一合目にも到達していなかったのである。

 

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そこから一時間、二時間、、三時間、、、

徐々に足場は悪くなり

しんどさは徐々に増していく

頭でものを考える余裕さえなくなり、

それからはひたすら無心で

足を前に出すことだけを感覚だけで繰り返した。

 


「三合目」の看板を過ぎると

今度は「四合目」の看板が待ち遠しくなり

次の「五合目」の看板を過ぎると、

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また次の「六合目」の看板が恋しくなる。

その無限ループを繰り返し、

気付くと八合目を超えていた。

あと少しと期待する気持ちと、

それでも一合目のサプライズに

心身共に警戒する思いを

常に抱きながら

 


約四時間後、

ついに山頂にたどり着く。

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達成感より先に浮かんでくるのは、

安堵である。

ようやく登らなくても済むという

脱力感でいっぱいだった。

 

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景色は確かに良かったが

六合目から既に綺麗な景色が見えていたので

特に感動はなかった。

何より、景色をのんびり楽しむ余裕がない

足は棒のように重く

風が強くて、しかも山頂は寒いのだ

 


わずか30分で見切りをつけると

そそくさと下山を始める。

そこから登山口まで戻るのに

・・・約三時間

あたりは気付くと真っ暗闇に包まれて

静寂の中に

時折獣の気配に戦々恐々と怯えながら

登山口に戻ってくると、

ようやくそこでほっと一息吐く。

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ああ、そうだった

地上はこんなにも落ち着くのだった、、、。

 


体はバキバキに痛い

足の裏にはマメがいくつもできている

こんなつもりじゃ、、、

と考えて、

でも過去に登った百名山を思い出すと

確かにこんな感じだったと

納得した。

つまりは、見慣れ過ぎていたせいで

その価値を見失っていただけなのだ。

 


百名山は、

やっぱり百名山であるということ

 


それはつまり

『親しきものにも礼儀あり』

みたいなことだと、

自宅から改めて伊吹山を眺めながら

ふと思った。

 


これからは彼の見え方も、

きっと私の中で大きく変わるに違いない。

 

 

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午前10時に登り始める

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午後2時に登頂
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岐阜方面f:id:kryo428:20211115135049j:image

琵琶湖方面
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よく見ると鹿がいるf:id:kryo428:20211115135035j:image

スキー場の名残f:id:kryo428:20211115135030j:image
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午後5時過ぎに下山f:id:kryo428:20211115135037j:image