チャリ旅日記

旅のことや日常のことを気ままに綴るよ

「こんにちは」が蔓延る世界

 


どうもリョウスケです

 

 

 

旅223日目

鳥取(道の駅→大山)

天気  くもり雨

 

 

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朝から重たい雲が空一面を覆っていた。

明らかに私の心を支配する今日じゃない感が

空いっぱいに広がっている。

 


だけども仕方がないのだ。

これも運命の巡り合わせでしかない

昨日のような気持ちのいい晴れ間であれば最高だった

でも昨日はコナン巡りと決めていて

絶対に外す事のできない、外すぐらいなら

こんな旅やめてやるよ!

というぐらい私にとって大事な案件だった。

明日にずらすのも忍びない

こんな何も無いところでいったい

何をして過ごせと言うのか

あるいは頑張って一日やり過ごせたとしよう

ところが残念なことに

天気を見ると明日も雨、、むしろ明日の方が

どちらかというと雨の色が濃いような気がする

運命の巡り合わせと、

どうやら納得するしかないようだ。。。

 

 

 

大山を登る。。

中国地方最大級の標高を誇る大山

標高1700m

道が山頂まで整備されており

わりかし初心者でも登りやすい山と

されていて

山頂まで3時間ほどで登頂できる

 


登山口の近く

大山寺のそばに自転車を止める。

登りが予想以上に急な坂道で

道の駅からここまで来るのに3時間かかった

登る前からすでに足が怠い。。

天気は少し小雨がぱらついていて

何ともビミョー

 


本格的な雨にでもなったら、

さすがに危険なので諦めようと思ったが

ビミョーな雨は

登る分には問題はなさそうだった。

晴れてくれれば最高だが

せめて山頂に雲が掛からなければ有り難い。

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見たところ、

登る直前の大山に雲はかかっていなかった。

祈るような気持ちで登山口を目指す

 

 

 

夏山登山口

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登山ルートはいくつかあるが

ここから登り始めるのが一般的らしい。

話に聞いた通り、

大山は道がとても綺麗に整備されていて

木板で作られた階段が

ずーっと先まで続いていた。

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岩を手で這うように登ることも、

鎖に捕まって登ることも必要なさそうなので

ケガをする危険性は少ない。

とはいえ、

果てしない階段はとてつもなく辛い、、

どういうわけか私にとっては

果てしない階段を登るよりゴツゴツした岩の道を

考えながら登る方がずっと楽で

面白いと感じる。

階段は足をあげる感覚と高さが一定で

それだけに単調な繰り返しが

足への負担と疲れを増幅させており、

ただただ辛い、、

登山というより苦行でしかない。

安全面を考慮し登りやすいように整備された大山の登山道は

からしてみれば

何てことしてくれてんだ!

とあまりに自己中で身勝手な怒りが

登っている間中

私の心を支配し続けていた。。

 

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五合目を過ぎた頃より

降りてくる小学生の団体と遭遇し始める。

学校の行事だろうか、

先頭を歩く先生の後ろを3、40人ぐらいの行列が

目の前を通り過ぎていく。

良くできた小学生たちは

得体のしれない男の前を通り過ぎる度に

「こんにちは」

と声を掛けてくれるので

こちらも笑顔を作って「こんにちは」と

一人一人に返していたら、

少し進むとまた小学生の団体に遭遇した。

「こんにちは」から「こんにちは」への応酬合戦は

延々と続いていく。

いったいこの山にはどれほどの

小学生がいるのか、

やり過ごした団体が通り過ぎると

次の団体の話声が上から聴こえてきて

あ、また、、

『こんにちは』をしなければいけない。。

ぞっとしながら進むと

やっぱり「こんにちは」と元気がよく

大人の私が無視する訳にもいかず

「こんにちは」、、、

と無理矢理作った笑顔で応え

「こんにちは」「こんにちは」「こんにちは」ーーー

数百人の子どもとすれ違い

数百回の「こんにちは」が繰り返され

人生で「こんにちは」を

こんなに何度も連呼したことがあっただろうかと考える。

世は「こんにちは」時代を迎えていて

「こんにちは」の海に溺れそうになりながら

必死で闇より深い「こんにちは」を踠いて進み

誰もいない(「こんにちは」のない世界)山頂を目指し続けた。。

 

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八合目を過ぎると

尾根伝いを歩くことになるので

階段ではなく木橋のようになった道を

歩いて進むことになる。

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階段よりずっと楽で歩きやすく

あっと言う間に9合目を過ぎ

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山頂まで残り数百mーーー

残念なのは山頂に近付くにつれて悪くなる天気で

雨も降っているなら

視界もほとんど見えない。

とりあえず山頂に着いたら晴れるのを期待して

暫く待機するのも辞さない覚悟で

先に進んでいると、

足元に山頂(仮)と書かれた案内が

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横を見ると工事現場で使う鉄筋の足場があって

山頂と書かれたプレートがあった。

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どうやらここが山頂らしい、、

 


(仮)とは、

本来あるはずの山頂部分が工事中につき

その期間中に設けられた仮説の山頂

ということらしく、

想像していた感じとあまりに違い過ぎて戸惑う。

視界が悪いせいで、

本当の山頂がどうなっているのかも分からず

本当にここは山頂なのか、

それさえも疑いたくなるほど

工事現場の機械音と

鉄筋の足場と

見えない景色と

現実味のない感じが

いつもの登りきった時の達成感を喪失させた。

せめて視界さえ少しでも良くなれば、、

と待とうとした瞬間

その日一番の大粒の雨が降り始め

これはいかん!

と慌てて急いで降りる羽目に、、

 


なんてことだ。。

苦労して登り、こんにちはに耐え

それでも山頂目指して頑張って登ったというのに、、

 

天気が悪い日に

登山なんてするもんじゃない。。

 

 

ズブ濡れになりながら

棒になった足で一段一段慎重に降りつつ

耳に残る「こんにちは」と

戦いながら

2時間かけて下山した。

 


また挑戦しよう。。

 

 

 

                                   つづく

リョウスケ

 

 

《ギャラリー集》

 

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大山寺まで真っ直ぐ伸びる道

結構急な坂道

 

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登山道の手前にあったお寺で参拝してから登る


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一合目から


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視界が悪くなる前に


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何も見えない


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登る時にはなかった水溜り


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大山寺


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白バラは大山の牛乳だった