チャリ旅日記

旅のことや日常のことを気ままに綴るよ

ラッセン原画展

 


どうもリョウスケです

 

 

 

SNSの広告で「ラッセン原画展開催」という見出しを発見し、

ふと気になったのでページを開いてみた。

HPには開催場所が明記されており、

そこには自宅からほど近い場所が示されている。

しかも、無料開催の文字に、予約すると特典がもらえるという

太っ腹な宣伝文句まで。

 


ここ数ヶ月自宅と職場を行ったり来たりの

生活しかしていない私にとって、

少しでも刺激になるイベントがあるというなら

かなり魅力的である。

 


さっそくHPで予約したのが数週間前、

今日は待ちに待った原画展の開催日である。

 


会場にワクワクしながら赴くと、

入り口には長蛇の列が!?

 


予想外だった。

こんなに人が多いとは思わなかった。

みんな飢えていたのだろう

自粛だなんだと

県外にさえ出られぬ今、

こんな田舎でできることは限られている。

本来県外まで赴かないと出会えないラッセンの絵を

地元で観賞できる機会は

おそらく滅多に訪れないはずだ。

 


ラッセンが好きとか嫌いとか

絵画に興味があるとか無いとか以前に、

イベント毎に飢えた人々が

久しぶりに味わえる外界の空気を吸いたくて

訪れている、、、

会場からはそんな空気が充満していた。

 


一時間は並んだはずだ。

ようやく会場に足を踏み入れると、

さっそく代表的なイルカの絵が出迎えてくれた。

雄大な自然を描いた背景に、

躍動的なイルカーー

海外画家として日本で昔から知られる

あのラッセン特有の美しい絵が、そこにあった。

 


壁にかかった十数枚の絵は

どれも幻想的で、

何より写真で写したようなリアリティと

宝石のような煌びやかさがある。

 


ふと絵の横に目をやると、

00万円とか000万円とか値段が表記されていた。

どうやらラッセンの絵を購入できる

ということらしい。

買えることにも驚いたが、その金額にも驚愕!

正直安いか高いか判然としないが、

日給0千円の私からすると、

口で呼吸するのも忍びない金額である。

 


そもそも絵を買うという概念が欠落している私にとって、

こんな高額でも購入者がいるんだという事実が

何より衝撃だった。

 


驚きの金額にタジタジしていると、

急に近くにいたスタッフが話しかけてきた。


「どこから来たんですか」

「絵画とかお好きなんですか」

「この絵、気になっちゃう感じですか」


矢継ぎ早に話しかけてくるスタッフに

適当に相槌を打ちつつ

面倒臭いな、と感じてしまう。

まさか絵画の美術展でスタッフが話しかけてくるなんて。

 

その後も、

「今日はお休みなんですか」

「ご職業って、何されてるんですか」

「そうなんですね。だったら明日も早そうですね」

まるで、やる気のある

服飾店の店員さんばりに話しかけてくる。

 


昔から店で話しかけられるのが苦手な私は

この状況が次第に億劫となり、

まだじっくりと絵を堪能したかったのを渋々諦めると、

会場を辞することにした。

 


あとで気づいたことだが、

ラッセン原画展と言いながらも

販売を目的としたイベントなのだとしたら

「無料開催」というのも頷けるし、

スタッフのお兄さんのしつこい対応も

それこそ服飾店の販売員と

目的は同じだろう。

だが、外界の空気を吸いたかっただけの私にとって

買いたくても買えない絵をひたすら勧めてくるお兄さんは、

せっかくの非日常を脅かす

ただの邪魔な存在でしかなかった。

 


久々の外の空気は、

少しだけ苦味を伴った味がした・・・。

 

 

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