チャリ旅日記

旅のことや日常のことを気ままに綴るよ

漢検を受けに

 

どうもリョウスケです

 

 

 

とにかく早く現地に赴きたかった。

試験会場が大津と聞いて、少しでも早く着こうと思い、

早朝に家を出る。

想定では自宅から車で2時間弱

ところが普段馴染みの薄い大津に向かうのに、

予定通りに事が運ぶとは限らない。

せめて今日だけは、

心配事は試験問題だけであって欲しい。

少々早過ぎたかもしれないが

ギリギリに到着して慌てるより、

早く着いて参考書を見直す方が最良と判断した

 

道は空いていた。日曜の早朝である。

この時間、思えば田舎の道が混むはずなどない

むしろ早く着き過ぎるかもしれない、

だとして、

早く着いて損する事などあるだろうか。

時間に余裕が生まれ

漢字の最終確認も充分行えることにより

精神的な安定や自信に

繋がればこそ、

損する事などあろうはずがない。

ところが、予期せぬ事態が立ちはだかる、、、

 


8時30分、試験会場に到着した

試験開始が10時

1時間半も早く着いたことになる。

さっさと試験会場に向かおうと駐車場を探すも

近くには有料の駐車場しか見当たらない

渋々1時間210円の駐車場に停車し、

そこでふと、気付いてしまった。

試験開始が10時、現時刻が8時30分、試験終了後すぐに会場を出たとして

11時は超えるはずで、

とすると3時間分の料金を支払うことになる。

ガソリン代、、昼食代、、

つまり、それは、どう考えても、

え、損している!?

早く着いたせいで、損したことになっている!?

予想外の展開

突如「210」と書かれた巨大な岩三つの重量を

背中一つで支え、

足元がフラついている。

損した上に、

想定外の出費により動揺までしている

この不安定な感情を

試験で引き摺らないようにしないといけない。

 


会場となるビルには警備員さんの姿以外

誰もいない。

試験会場はそのビルの三階である。

静まった屋内をエスカレーターで上階に登って行く

さすがに会場には誰かいるだろうと思ったが、

三階に着いて早々、

感じたのは無機質な静けさ

静寂に包まれた三階は人っ子ひとりいないどころか、

会場となる部屋の準備もされていない。

さすがに早過ぎたらしい。

こんなに早く受験者が来るとは、

試験運営側も想定外だったようである。

待つ事30分、

ようやく人が現れ会場の設営が始まる。

その間もずっと漢字の確認は怠らない。

不安定な感情を振り払おうと

漢字をひたすら解く毎に

少しずつ気持ちが落ち着いていく

自信はあるのだ。

半年間も勉強してきたのである。

今更落ちるような事があるとするなら、

それはもはや私に漢字の才能が、

あるいは余分な出費の動揺を引き摺った結果

パニックを起こし

実力の3分の1も出し切れない事態に見舞われない限り

まずあり得ないだろう。

だけど不思議と落ちるような気はしなかった。

 

試験開始20分前になると、

入室を許可され部屋に入る事ができる。

中に入ると参考書を開く事ができないが問題はない。

ギリギリまで見直したところで

点数が変わるとは思えない。

それよりもっと大事なことが私にはある。

 


誰よりも先に試験会場に入室すること

 


何よりも無意味に思えることこそ

謎の強みを生む。

せっかく誰よりも早く会場に到着したのである。

試験官よりも早く着いた私が、

1番に会場入りしなくてどうするのだ。

点数は合格点さえ稼げればいいが

何としても入室第一号の座だけは誰にも譲りたくはない。

なにより、駐車料金の動揺を挽回するのは

ここしかないと、

根拠なく心が訴えている。

 


ところが入室を許可された瞬間

トイレに行っていなかったことを思い出した。

催してはいないが、

試験中に万が一行きたくなったら困る。

我慢する自信はあっても、

そのせいで集中できない事態は避けたい。

だがしかし、

近くにはすでに私よりも後から来た受験者がいる。

彼より早く入室しなければいけない

急いでトイレに直行し、

用を足して急いで戻る。すると、目の前で受験者が

まさに今、入室しようとしている

ヤバイ、間に合わない!!

と半ば諦めかけたのも束の間、彼は参考書等の注意を聞き

入るのを躊躇し始めていた

いまがチャンス!

受験票を鞄から引っ張り出すと、これ見よがしに印籠さながら突きつけ

会場へと入ることに成功

見事に『自称一番乗り』の称号を得る!!

気分は何かしらの世界大会で優勝した気持ちに等しい。

試験前にも関わらず

既に目的を一つ達成したような幸福感がある。

動揺は(駐車料金)完全に消え失せた。

 

試験終了後、

気分はとても爽やかだった。

やり切った達成感

想像以上に満足のいく出来だった。

特に「急須」が咄嗟に頭に浮かんだ時の

勝利を確信した興奮は忘れない。

あとは結果を待つのみ

間違いない。合格している。

これだけブログで豪語して落ちていたら目も当てられない

そんな博打を打つなんて、

小心者で心配性の私に限ってありえない。

それだけ自信があるのだ。

 


駐車場を出る際、

3時間分の駐車料金を支払う。

もう少し遅れて行けば2時間分で済んだ駐車料金も、

有頂天で舞い上がる今の気分では

うまい棒より安いとさえ感じる。

結果が楽しみで仕方がない

晴れ渡った空はどこまでも続くように感じた。