どうもリョウスケです
旅173日目
天気 はれくもり
山を登っている。
登山仕様に万全な装備で登る人々の横を、
いつもの格好と
不必要な物を詰め込んだ鞄を背負って
山を登っている。
こんなはずでは、、
というより、
こういうところだったんだ。。
と、着いてから知った。
千畳敷カール
標高2600メートル。中央アルプスにある山々に囲まれたお椀型に
なった地形で、春夏秋冬で景色が変わり
夏は緑豊かな高山植物がとても綺麗だという。
目的の場所まではロープウェイで行くことができ
降り場の駅は日本一高い駅とされている。
山登りは当初想定しておらず、
のんびり散歩しながら見て回り、写真を撮って、
一、二時間もしたら
下に降りて次の目的地まで進もうかと
考えていた。
ところが、、
まず知らなかった点1
「ロープウェイ乗り場までの一般車の通行不可」
道幅の非常に狭い道路は、バスか正式な許可を申請した車以外の通行は禁止されている。
乗り場まで自転車で行くつもりでいたが
バスで乗り場まで行くことに。
知らなかった点2
「千畳敷カールまでの交通費が想定より高い」
想定外のバスの運賃と、ロープウェイの料金の往復代は
思っていたよりも高く
5分ほどバス乗り場にて行くかどうか悩む。
親切に細かく教えてくれるバスのおっちゃんに背中を押される形で
せっかくだからと行くことに決めた。
知らなかった点3
「この千畳敷カールが駒ケ岳や他の中央アルプスにある山々の玄関口のような役割を果たしていた」
ただ千畳敷カールを眺めに来ただけの客と、登山目的でやってきた客とでは、
服装から荷物から何もかもが違っていた。
ここで初めて登山をするところなのだと知る。
当初の目的では登山をするつもりは毛頭なく
軽く散歩できたらとしか考えていなかったわけだが
いざ着いてみると
あまりに広大な景色に感動。
山々に囲まれ窪地のようになっている大地
人工物のほとんど存在しない
高山植物が美しく咲き乱れる景色は
自然の作り出した芸術である。
見学ルートをぐるっと一周しようと歩いてみたが、
途中の登山ルートへの別れ道にきて、
ふと考えた
これだけでは物足りない。。
確かにすごいが、もっと満喫したくなった。
その結果、、
山を登っている。。
千畳敷カールを見下ろせる所まで登るつもりが
どういうわけか途中から
そのさらに標高の高い駒ケ岳の山頂を
目指している。
ロープウェイの降り場が標高2600メートル
駒ケ岳の山頂が2900メートルと、
そんなにも登る距離は多くない。
多くないとはいえ、
山は山で
往復4時間はかかるらしく
なかなかにしんどい。
この日は雲がかかったり晴れたりで
スカッとした天気とは言いづらいが
まだ許容範囲、、
山頂までひたすらに登る。
知らなかった点4
「山登りをするなら時間がかかる」
知らなかった点5
「山登りをするなら荷物は軽い方がいい」
知らなかった点6
「山登りをするなら服装はしっかりと」
ここで一つ思い出したことがある。
腹が減った、、、
午前中で降りてくる気でいた私は、
食料は降りてからで大丈夫だと何も持ってこなかった
それだけに腹が減っている。
周りの登山者がおにぎりだの、弁当だのを食べているのを
指を加えて見ているのはなかなかに辛い。
山小屋で売っている食料は高くて手が出ないので
我慢するしかない。
しかも、
背中に背負った鞄は必要以上に重たい。
山登りを想定していなかった私は、
あれとかこれとか絶対に山登りには必要ないものまで
持ってきていた。
歩く分には大した事ない物でも、
登山となると1、2キロの重量が増すだけで
体への負担が半端ない。
それに、
そもそもが山の上だというのに
私の格好は軽装で、
半袖に薄手の上着が一枚では
気温が17度の山の上はかなり寒い。
もう一枚雨具用の上着を持ってくるべきだし
何よりその方が、
登山者スタイルに適している。
私の格好はあまりにも
山登りに相応しいとは言い難く
いかにも登山を舐めており
重装備で万全な状態で登る他の登山者に引け目を感じる。
登り始めて数時間後
ぶうぶう
ゼイゼイと言いながら
何とか、
駒ケ岳の山頂にたどり着いた。
眼前に広がるキレイな景色!
どこまでも続くアルプスの山々!
そして、
山頂にたどり着いた瞬間の達成感!!
これが何とも言えず心地よく
辛いとか苦しいとか
マイナスだった己の心を吹っ飛ばしてくれる。
標高2940メートル
道幅も広く
歩き難いほどではない山道は
パンフレットにも初心者向けと
書かれていた通り
わりと登りやすい山だった。
とはいえ、
知らなかったが為に想定外の登山は
本来よりも大変で。
予定よりも時間を使い
想定よりも高く交通費がかかり
腹は減りに減り
鞄は余計な物が入っていてとても重たく
不適合な服装は肌寒い
だけど私の心は
満足感と充足感でいっぱいである。
少し悩んだが来てよかった
バスのおっちゃんに感謝しようと思う
知らなかった点7
「想定外であっても山頂まで登り切れば満足感を得られる」
つづく
リョウスケ
《ギャラリー集》
途中にある中岳
ここからまた下に一旦降ったあと、
駒ケ岳の山頂を目指して上に登る
雪!!!
途中にはキャンプ場があり
すでにテントを張っている人の姿が見える。
電灯のない真っ暗な景色は
さぞかし綺麗な星空がみれるのだろう。
山の上のキャンプ場。。
それもありだったかも知れない
道の駅でおじさんから貰った缶コーヒー
山頂で飲む缶コーヒーというのを
経験してみた。
めちゃくちゃうまい!!