どうもリョウスケです
旅120、121日目
2022年10月11日火曜日
天気 雨のち曇り
ロープウェイを使って登ることに
少し抵抗があった。
金銭的なこともそうだが
何より達成感が得にくいかもしれない。
調べたら下から登るという方法もあると知り
うーん、、、と考え、
その日の気分で判断しようと結論を後回しにする。
ーー石鎚山に登る。
西日本最高峰石鎚山。標高1982メートル
百名山の一つとされ、
山にはロープウェイが設置されており、
山の中腹1300メートル地点まではこのロープウェイで登ることが可能である。
登山客のほとんどはロープウェイを利用して山頂を目指すのが、石鎚登山の基本ルートだった。
そんな基本ルートを無視してでも
登山初心者のわたしは
下から登ろうかどうしようかと悩んでいる。
初心者が下から登ることって可能ですか?
とある人たちに相談すると、
キャンプ場で知り合った石鎚山登山経験者のおっちゃんには、
ーーそれは大変やと思うと言われ。
キャンプ場の清掃などをしていたスタッフのおっちゃんには、
ーーかなり大変やと思うと言われ。
それでも意固地なわたしは悩みに悩み
当日登山口にたどり着いてもまだ悩んでいた。
だがやっぱり経験者の言うことは聞くべきだ。
ほんの僅かに残った素直さがギリギリで無謀な挑戦を思い留まり、諦めてロープウェイで乗り場へと向かうことにした。
さて、この判断はどうだったのかというと、、、
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一年中登山客の絶えない石鎚山は登山初心者でもサクサクと登れる道が整備されていた。だから登りやすいと言っても、それは一歩にかかる負担がある程度少ないというだけの話。
ロープウェイで中腹まで登ったはずなのに、
いつになったら山頂に着くんだ!!?
気づくと登り始めて2時間が経過していた。
疲れは徐々にピークに達し
足を上げる動作がなんだか妙に覚束ない。
こんな大変だったなんて。。。
正直舐めていた。途中までロープウェイで行けてしまうのなら、そこから山頂まではたかがしれていると思った。
が、行けども行けどもまだ着かない。
すると唐突に現れたのが『鎖の試練』である。
ほぼ垂直にせり立った崖を
頑丈な大きな鎖を伝って登るらしい。
ぐっと勇気を振り絞ると
片手で鎖の輪っかを掴んでぐいっと体を
持ち上げる。
意外と鎖はしっかりと安定しており
鎖にさえ掴まっていれば落ちないという安心感があった。
足場もゴツゴツしているため
どこかしらに足を掛ければ上ることもできた。
これなら楽勝でいけるぞ!
・・・そう思ったけど、
やっぱり慣れない鎖の試練は試練なだけあってかなり大変だった。
普段使わない腕の筋肉をかなり酷使するため、
徐々に腕に力が入らなくなっていく。
それでも三つある試練(別に迂回路がある)をせっかくなら全部挑戦してみたいという、ふたたび顔を覗かせた意固地に従い、無理にでも最後の鎖の試練まで必死で登り続けた。
そして、登り始めて3時間後ーー、ついに山頂を踏み締める。
気づくと昼過ぎである。
ロープウェイの時間もあるから慌てて下山を始めて、さらに3時間。
ようやくロープウェイ乗り場へと戻ってきた時には、体はへとへと、足の裏には大きな豆ができ、膝はケタケタと笑っていた。
時計を確認したらもう四時過ぎだった。
ロープウェイを使ってこの時間である
ということは、、、
ーーゾッとした。
もしロープウェイを使っていなかったらと考えると途端に恐怖が込み上げる。
貧乏性と意固地な性分には気をつけよう。
力の入らなくなった腕をさすりながら、
踏み留まるきっかけをくれたおっちゃんには感謝してもしきれなかった。
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途中の登山口。ここで少し悩む。本当に行かなくてよかった。
往復二千円で少し高い気もするけど、その価値は十分にある。もう一つの登山道からなら車で行くことも可能。その代わり少し距離が長い。
9時に出発!
神社でお参りをして
いざ登山道へ。
こうしてみるとスゴい壁
途中に売店がある。上はかなり寒いため、暖かい飲み物の誘惑が半端なかった。これは間違いなくトラップだ!
この日初めて山頂を目にする。曇っているとどこに山頂があるのかもわからない。
最後の試練を登りきり
ゴール!! 山頂はびっくりするぐらい人がいた。平日なのにこれだけ人気の山である。
そこからさらに崖っぷちを伝っていくと、天狗岳と呼ばれる最高地点に行くことができるが、これがかなり怖い。恐る恐る這いつくばって進んで行き、
ようやく到着!
勇気を出して写真をお願いし
看板を持たずに撮ったことを見かねた近くにいた人が気遣ってくれて、またさらに写真をお願いし
せっかくだからとさらに先の崖っぷちまで進んで
ふたたび別の人にお願いすると急いで戻る。こんなに写真を人にお願いしたのは初めて。
これは必須。
晴れ間を待つ人で山頂はずっと人でいっぱいだった。天気はどんどん雲が覆っていって一向に晴れる兆しなし。
そして下山へ。
登山口になんとか辿り着くとほっとひと息。お疲れ様と書かれた看板に涙が出そうだった。
全部で七時間ほどの登山だった。ちなみに下から登ると片道で六時間かかると言われていたので、本当にやらなくて良かったと思う。無理は禁物、、、というか、この登山道でも十分無理してやりきったと感じている。