チャリ旅日記

旅のことや日常のことを気ままに綴るよ

新型ウイルス

 


どうもリョウスケです

 

 

 

ニュースアプリを起動するたび

目に飛び込んでくるのは例のウイルスについての情報である

 


遠いどこかの誰かの話だったものが

徐々に現実味を帯び

少しずつじわじわと輪郭を為していく様子は

さながらパニック映画を観ているようなスリルがある。

スリルがあるということは、

まだ実感として薄いのかもしれない。

 


マスクが街の店内で品切れが続出している

一人一箱と注意書きがされたそこには

当然のように空っぽの空間だけが虚無的に広がっている。

リフト係は接客業である。

お客と相対する以上、ウイルスには警戒しなければいけない

会社側からも手洗いうがいの徹底と

マスクの装着を義務化するよう通達が降ったが

品切れたマスクを会社が用意してくれるわけでもなく

自己負担で何とかしろといわれても

東奔西走と幾つもの薬局を果てしなく巡回する必要があり

マスクを探すだけで幾日も掛かりそうである。

そのせいで体調を崩して倒れでもすれば

美談として語られるだろうか

愚行だと罵られるだろうか

本末転倒だと失笑されるのがオチだろう。

 


全国のあちこちでイベントの中止が相次ぎ

近々で予定していたコンサートも中止になったと知り

泣きたい気持ちを

ぶつけようのない怒りと嘆きを

どこに追いやればいいのかやるせ無い想いだけが募っていく。

 


目の前でクシャミをしようものなら

ウイルス感染を疑い

他人との接触を必要以上に避け

潔癖症さながらに手袋を常に嵌めて生活している

 


いったいこの現状はいつまで続くのだろうか

パニック映画のラストでは

主人公がすったもんだの末、国内からヘリで逃亡し、

ことなきを得る。

だが現実は世界中で蔓延している以上

どこに行っても逃げ場などない。

むしろ海外に行けば行くほど危険性が増す気がする。

シェルターにでも篭ろうか、、

だが同じくシェルターに逃げこんだ避難者の中に

感染者が紛れ込み、

醜い争いに巻き込まれるのがパニック映画の定石ではないか

 


せめてもしもに備えて格闘技を習っておけば、、

あるいは銃の腕を磨いておけば

襲ってくる感染者に対抗できるかもしれない

奴等は動きこそ鈍いものの

頭を狙わなければ何度でも立ち上がる。

噛まれてもすぐに感染することはなく

意識がハッキリしている内に

ワクチンを摂取するか、

なければ潔く自分の頭を撃ち抜く覚悟を持つことが

重要である。

受け入れるのが恐いばかりに

感染者にでもなって自ら家族を襲うなんてことは

絶対にあってはならない。

自分でできなければ

身近な相棒に頼んでおくのがいいだろう。

よし、明日にでもリチャードにお願いしに行こう。

もちろん、彼は嫌がるだろうが、

最終的にはやってくれる男だと信じている。

その時には借りができるから

あの世でスコッチでも奢ってやろうじゃないか

 


ドンドン!!

玄関のドアを忙しなく叩く音

こんな夜更けに誰だろう、、

また隣人のマイクが酔って家を間違えたに違いない。

ついこの間も路上のど真ん中で寝ていたのを

警察に補導され

妻のメアリーにこっ酷く叱られていたばかりだ。

ドンドンドン!!

さっきよりも強い力でドアが叩かれる

やれやれ、、

気は乗らないが、扉を壊される訳にはいかない。

重い腰を上げて玄関の扉の前に行き

勢い良くドアノブを引いた

 


それから、、記憶が曖昧だ、、私はどうしたのだろう、、

 


気付くと銃を右手に握りしめている。

弾倉に弾が入っていないのを確かめ、散乱した部屋を呆然と眺めた。

部屋の隅に見慣れた顔が横たわっている

首筋に微かに痛みがある

そっと触れた瞬間、手にべっとりと赤い血が付着しているのを確認し

もう一度銃を見つめ、

弾倉に弾が入っていないのを思い出した。

リチャードは何処にいるのだろう、、

どこか遠くで聴き覚えのある悲鳴が聞こえた瞬間

意識が遠のいた、、、。

 

 

 

なんてことが現実に起こるわけでもなく。

いまのところ私のいる界隈は平和な時間が流れている

同僚の話に耳を傾け

浮かれた大学生を鼻で笑いながら接客し

終われば読書と漢字と文筆に時間を捧げている。

新型ウイルスに心は戦々恐々としながらも

日常は変わらず、

今日もいたって平和である。

 


と、ここまで書いていて

なんだか頭がクラクラとしてきた。

寝不足かもしれない、、

昨日から微かに熱っぽいような気もするが、、

風邪でも引いたかな

ま、明日になればよくなっていることだろう。。。