チャリ旅日記

旅のことや日常のことを気ままに綴るよ

放置されたスキーケース

 


どうもリョウスケです

 

 

 

スキー場にいるというのに

目の前を何百人の人が滑っていくというのに

今シーズン、

私は一度も滑っていない。。

 


なんだろう、、

全然滑る気分になれないでいる。

最初こそ雪が少ないゲレンデを目前にして

滑る気分になれないと

大義名分を掲げていたのだが、

ある程度雪も積もり、

ある程度リフトが動き出し、

ある程度気持ちよく滑ることが可能となった今でさえ、

私は休みを読書と

図書館とカフェ籠りに費やしている。

一向にゲレンデに足が向かない

いよいよ雪も減り始め

ピークを過ぎて状態はますます酷くなっていくというのに

黙ってその状況を眺めている。

 


部屋に置いてあるOGASAKAのスキーケースは

部屋に持って入ったその日から

一度も動くことがなく放置されていた。

中身を出すどころか

ファスナーを右から左に引くことさえ

していない。

まるで元からそこにあった置物のように

または日曜に暇を持て余してゴロゴロし母親にキレられる父親のように

静かに横たわっている。

目も慣れ過ぎたせいか、逆にそこから喪失した方が

違和感を覚えそうなほどに

無造作に放置されたOGASAKAのスキーケースは

薄汚れた寮の部屋にぴったりと馴染んていた。

せっかく来たのだから一度ぐらいは滑って然るべきだろうとは思うが

ケースをじっと眺めていると

その気が微塵も湧いてこないのだから仕方がない。

 


予言というか、私の気持ち一つなのだが、

おそらく今年は一度も滑らずに終わるのではないだろうか

放置されたケースは

寮を出るその日まで同じ場所にあるだろう。

スキー場で働きながら

そのスキー場のコースをはっきりと把握しないまま

最後を迎えるに違いない。

それでも別にいいかと、思う自分がいるのが事実である。