チャリ旅日記

旅のことや日常のことを気ままに綴るよ

行きは良い良い、帰りはキツイ

どうもリョウスケです

 


旅101日目

北海道(利尻島)

天気 晴れ

 


登ってみたい。。

それは衝動的な感情でもあり、

必然的でもある。

 


この旅の途中、山は散々見てきた。

どの山も立派でその出で立ちに佇まいに感動すら覚えることもしばしば

でも、さすがにこの感情だけは浮かばなかったのに

今回初めてそう思った。

 


山登りは昔から苦手である。

なぜ山に登るのか

そこに山があるからだ→マジ何言ってんの?!

と思うくらいに理解ができない。

ラソンと同じぐらいに山登りは苦手で

辛い思いをして登ることに

意味を感じられなかった、、のに

利尻島に来て

利尻山を目の前にして

その美しさと島にとっての絶対的な存在感を肌で感じ

果たしてこれを登らずに利尻島を満喫したと言えるのか、と

自分で自分に問いかけてみる。

その答えを確認する頃にはスマフォで明日の天気を調べていた。

 


山登りは苦手だ。

だが登ってみたくなった

山登りの素人が一人で挑戦していい山なのかはわからないが

とにかく下調べだけはバッチリである。

 

 

 

利尻山

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標高1721メートル

利尻島の中央に位置するその山は形の美しさから利尻富士とも呼ばれている。

登山コースは二つあり、鴛泊コース、沓形コースの二つ

鴛泊コースはどちらかというと中級者向けで

沓形コースは難所が続く上級者向けになっているそうで

初級者の私にとってはどちらも厳しかろうと思うが、

無論行くなら中級者コースに行くしかない

予想される所要時間として

登りは6時間

降りが4時間と書かれていた。

6時間、、ほぼ半日かかるということ

これはかなり気合いを入れる必要がある。

 


鴛泊コースの登山口の近くにはキャンプ場があるので、そこで一泊し、

早朝に起きて登山口まで向かう。

6時間かかるのなら朝7時頃に登り始め

昼過ぎに辿り着ければ、

何とか夕方頃には戻ってこれるだろうと考えていた。

ところが7時に登山口に到着すると

周りに誰も人がいない。

静か過ぎる。

登る人は自分しかいないのだろうか

それとももっと早くに来なければいけなかったのか、

徐々に不安が増していく。

 


利尻山には登山計画書なるものを登山口で提出しなければならず

必要事項を記入し所定のポストに投函

尚、下山したら下山報告書を提出することで安否を知らせる事になる。

どのような対処になるかはわからないが

万が一遭難した場合

これを基に連絡が掛かってくる事になるのだろうと思う。

注意事項などもびっしりと書かれており

より気が引き締まる。

 


午前7時15分

登山口を出発!!

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まずは森の中を登っていく。

鳥のさえずりや木のせせらぎの音が心地よく耳に入ってくる。

この辺りはヒグマ出没注意を呼び掛ける張り紙もされていた。上陸と表現しているからには、元々島にヒグマは生息していないという事だろう。

道内から泳いで渡ったのか

そんな事が可能なのか気になる所だが

遭遇はしたくないので、知床で購入した鈴を持参し、殊更に鳴らす。

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利尻ルールというのがあり

これは絶対に守らないといけない。

 

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3合目と書かれた看板に到達した。

ここから4、5と10合目の頂上まで登っていく事になる。

 


足が思ったよりも軽い。

日々の自転車漕ぎの賜物か、思いの外スムーズに上へと登って行く

4合目、5合目とテンポよく登って行き

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6合目の手前まで来た辺りで

初めて視界が開けた。

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青い海とその向こうにある礼文島、美しい山並みが見える。

まだまだ先は長いが景色が見えるとテンションも上がる。

 


6合目を過ぎ、7合目を過ぎ、急な坂とゴツゴツした足場を登って行く。

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ほとんど○合目と書かれた看板がある所以外は細い道が続くので

休憩はその看板のある少し開けた所で取る。

 


ずっと目指してきた頂上らしき物があったのだが、

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7合目を過ぎてその頂上が目の前に迫ってきた事で、これは違うなと悟った。

その頂上らしき所を登ると

辺りが開けた場所になっており

8合目と書かれた看板の向こうに大きくそびえる山が見える。

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どうやらまだまだ先は長そうだ。。

 


9合目の目前になって初めて人とすれ違った

ここまで誰とも合わなかったので

本当に自分しか山にいないのかもしれないと思っていただけに安心する。

9合目を過ぎ、もう少しで頂上と思うと、気が焦ってか徐々に辛くなってくる。

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コースも段々と歩き難い岩場になり手をついて登っていく。

 


ずっと遥か先に見えていた頂上が少しずつ少しずつ近付いて来る

あと少し、もう少し、あと少し

お経のようにそれだけを心の内側で唱え続け

最後の岩に足を付いて

 


ついに、頂上へ

到着!!

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時間にして4時間ほど

6時間かかると想定していただけに

すごく早い到着である。

登山素人がこんなに早く登ったのはもしかしたら凄い事では、、

などと喜びを噛み締めつつ一人舞い上がっていたが

生憎頂上付近は雲がかかっており

景色は見えない。

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かろうじて道内方面にだけ雲が開けていた。

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それだけでも素晴らしい景色である

さすが頂上!

登りきった達成感も自転車の時とはまた違った感覚がある。

 


記念写真、お参り

散々余韻に浸ったのち、山を降りることにした。もう少し浸りたい気持ちもあったが

山の上はかなり寒い。

防寒対策は万全ではあったが

それでも長時間は耐えられそうになかった。

 


登山は登りより降りの方が事故率が高いと聞いたことがある。

浮かれていた気持ちを引き締めて山を降り始めて、すぐにその意味がわかった。

登る時は足を上に持っていけば良かったが

降りでは足を慎重に下ろしていかないと踏み外す恐れがある。

しかも降りの方が足を踏ん張らないといけないので、足への負担もすごい

慎重に慎重に

登りより降りの方が早いと思っていたが

私の場合はどうやら違うらしい。

隣を慣れた男の子が颯爽と横切っていく

私より少し前に下山した年配のご夫婦はとっくに姿が見えない。。

え、なんでそんなに皆さん早いの!!?

 

 

 

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やっとの思いで登山口に戻ってきて時間を確認したら

下山し始めて4時間が経過していた。

登り4時間

降り4時間

印象としては降りの方が断然きつかった。

やっぱり素人が山登りなんか思い付きでやるもんじゃない

きっと登りも対して早かったわけではないのだろうな、、(。-_-。)

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8合目まで戻ってきて振り返ったら抜群に頂上晴れとった。なんでやねん!!

 


ともあれやって良かったのは事実だ。割と自分なりに楽しむこともできた

苦手克服とまでは言い難いが

機会があればまたやってみるのも悪くない

 


登頂した自分へのご褒美に温泉に入った。

なかなか染みる

3日ぶりのお風呂がご褒美って、、

自分らしくて良いか

 


リョウスケ

 

 

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山登ってるとたまに咲いてるこういう花に何故か心を奪われるよね。
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礼文島
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8合目にて。待ってろよ頂上!!って言ってる風の写真
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リスがいた。キュン
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山の上で食べるおにぎりって何でこんなに旨いんだろう。科学的に証明してほしい
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