チャリ旅日記

旅のことや日常のことを気ままに綴るよ

長い旅の総括として。

 


どうもリョウスケです

 


2023年6月25日日曜日

天気 晴れ

 


旅のまとめと呼べるほどのものでもないが、せっかく最後まで旅をやり遂げたのだから、少しぐらい旅についてあれこれとまとめてみようと思う。

 


前の仕事を辞めて早六年。気づいたら勤めていた年数よりもはるかに長くなってしまったことに驚きを隠せない。旅を始めたのはその仕事を辞めてすぐのことである。「日本一周を自転車で」と意気込んで始めた自転車旅は、一年目は滋賀の自宅から北海道を巡るまで。二年目は北海道から九州に入るまで。三年目は九州から沖縄を経由して中国四国と巡って岡山まで。そして最後となった今年はその岡山からスタートし、残りの近畿五県を巡って滋賀にある自宅まで。ーーと聞くと、

日本一周をやり遂げましたと胸を張って言えるかもしれないが、実際はそんなに実感があるわけではない。足掛け四年をかけてじっくりねっとりと進んだ旅は、達成感よりもむしろ満足感の方が強く、日本を一周したというよりも、四七都道府県をすべて巡った! という方がどこかしっくりとくる。意味はまったく同じでも、なんとなく心持ちが若干違う。

だけど満足感はあった。誰もが義務教育のように成し遂げてきたことではない。それを自分自身がやり遂げたという満足感。特にこのブログに関しては、自分のことながら“すんげえことをやったよな”と自画自賛せずにはいられなかった。

だって考えてもみてほしい、世の中に旅の動向をSNS上で逐一更新する人ならザラに見かける。旅のブログにしたって特に珍しいことでもない。だが、「旅の記録」をほぼ毎日一編ずつ更新し、タイトルをつけ、エピソードを綴り、そこに写真も載せて、ーーという作業を地道に最後まで欠かさずやり続けた人って、世界にどれほどいるのだろうか。

「まさか一人もいないんじゃないwww」と調べもせずに勝ち誇っていたりする。

正直かなりつらい日もあったし、しんどくてそれどころではない日もたくさんあった。ブログにするほどのエピソードがない日だってあり、カラカラの雑巾を絞り出すようにブログを書いたこともあった。

それでも最後までブログの更新をやめなかったわたしって・・・す、す、す、凄くない!!?

ということを、誰も褒めてくれないので自分自身で褒めてみた。少し虚しくなったのは言うまでもないので、この虚しさを糧にして、明日への扉を開いてみようと涙を拭うのである。

 


最後に、この旅で得たものがあるかと聞かれると、「特にない」とわたしは答える。様々な希望を胸に始めた旅は、やがて日常の一部となった日から、わたしの中で希望と呼べる代物ではなくなった。

希望は自分から掴むもの。それは何をしたってどこにいたって同じこと。世間から見て特別なことをしているからって、必ずしも特別なことが自然と得られるわけではない。すべては自分次第なのだと、わたしはこの旅で散々思い知ったのだった。

要は何を得たくて何に挑戦するかが明確であればあるほど意味がある。ただ浮ついた心で漠然と好奇心の赴くままに旅をしたって、何も得られやしない。すべては自分次第。活かすも殺すも自分次第!!

・・・ところがしかし、そんなことを意識しながら旅をしたって、そもそもプレッシャーを感じるだけである。そんな旅は、意味はあっても楽しくない。楽しくなければ旅なんてしたくない。

だったら、やりたいことだけをやればいい!

そう開き直ったわたしが思いつくままに、自分の欲望だけを優先させて始めたのが、一見なんの意味もないような『不毛だらけの旅』である。

なんの意味もないかもしれない。ただやりたいように構築した旅は、人生という大きな尺度でそれを図ると、いずれ意味をなしてくるかもしれない。少し先の未来で後悔しても、死ぬ間際にやって良かったと笑えたら、わたしの勝ちだ。

それでいいかと、ある日結論に至ることができた。

不毛な旅を全肯定してこそ、この旅は完結する。「特にない」と答えるわたしの旅はまだ終わっていない。本当の意味で終わったと思えるのは、きっともっと先の未来のことだろう。

 

f:id:kryo428:20230625155306j:image
これまでブログを根気よく読んでくれた人には心から感謝申し上げます。不毛な旅を続けた結果、今後のことはほぼ何も決まっていないという事実に頭を抱える日々ですが、また旅をするかもしれないし、また別の何かをするかもしれないし、また本をいつか出すかもしれない。とりあえずはまたふわっと生きていく所存です。

これからもブログは続けるので良かったらどうぞまた覗いてやってください。では!