どうもリョウスケです
旅53日目
2023年6月3日土曜日
天気 晴れ
思えば昨日までえげつない量の雨が降っていたのだから、水嵩が増えてあたりまえだ。それを意識していたかと聞かれたら、正直あまり自信がない。今日は晴れているから大丈夫だろうという、軽率な気持ちで訪れた気もしないでもなかった。
日本の滝百選にも選出された「赤目四十八滝」に訪れていた。
順番的に次の目的地がここだったとはいえ、本当に今日行くべきだったか? と聞かれると、これには仕方のない事情があるんだと言うしかない。
例年よりも早い梅雨入りとのことで、数日後には雨の予報が連日続いていた。天気予報では雨マークがずらりと並び、その中で数日間まとまって晴れる日を見ていくと、どうも今しかない。だったら無理をしてでも行くしかないと考えたのは、仕方がないことだった。
とはいえ、こういう軽率な損得行動が後々良からぬ不運を招くのも、世の中のセオリーである。
割と苦労を重ねながらたどり着いた赤目四十八滝は、とにかくたくさん滝があるという意味からその名で呼ばれている。上流を遡って数キロ先まで歩くことができ、そのところどころに、ときに豪快で、ときに美麗な滝が姿をあらわす、、、と聞いていた。ところが、
どんなものかとワクワクしながらゲートに向かい、受付の女性に入場料を支払う。すると女性が口慣れた雰囲気で「今日は水嵩が多くて行ける範囲が制限されています」とあたりまえのように言いだして絶句した。なんと今日は道の途中までしか行けないというのだ。
思えばあたりまえである。えげつない雨が終日降り注いた次の日に、川の水嵩が増しているーー。山道はまだぬかるんでおり、土砂崩れの恐れもあるため非常に危険。だからあたりまえのことだった。
でも、私からしてみればあたりまえじゃない。
損得感情で訪れたわたしからしたら、せっかく晴れてるのに、なんで行けないの? と不満が爆発。頭の中で、「そりゃしょうがないよね」としみじみ受け入れる素直な自分と、「ふざけんなよ。晴れてんだから別にいいじゃん」というクレーマー気質な愚かな自分がせめぎ合う議論が勃発。とはいえ「どっちが勝っても結果は覆らないよね」と冷静な自分にいなされて、結局同じ額の入場料を渋々受け入れゲートをくぐった。ここまでわずか三秒、、、受付の女性には物分かりの早い客に見えたはず。
滝はどれもすごく綺麗だった。めちゃくちゃ綺麗で豪快だった。これが水嵩が増したから豪快なのか、いつも豪快な滝なのか、今日の滝しか知らないわたしには判断ができない。
途中までと聞いていたのに、思ったよりも長い距離を歩くと本当に行き止まりになっており、あとは同じ道をたどって戻るだけ。
噂では全部で23個の滝があると聞く。そのいくつかしか拝見していない私は、奥にもっと美しい滝があるかもしれないと想像すると、見えないプレゼントの箱の中身を期待するかのように無念さが込み上げ、それをゴクッと飲み込むと渋々道を引き返す。
ちらっと聞いた話では明日には通常通りに歩けるようになるという
一日ずれれば、晴れる日だって一日減る。どうするのが最善の選択だったのか、フローラかビアンカで悩むぐらいにいまだに私を悩ませ続けている。
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案山子さん
滝は3.3キロの道のりがあり、けっこう長い。最初からそんなにはしんどくて歩けないかもと思っていたが、まさかそもそも途中までしか行けないとは。
オオサンショウウオの生息地でもある。受付のある建物にたくさん飼われている
ちっす
上から見下ろす滝
ここが最終地点の滝。ここから先は通行止めになっていた。およそ受付のとこから1キロほど。
赤目の由来とされている牛。目が真っ赤
かわいくもあるけれど