どうもリョウスケです
2023年2月1日水曜日
押入れの奥から肩掛けの小さな鞄を取り出す。
ファスナーをジリジリと開けると、
中から手のひらサイズのある物を引っ張り出した。
一眼レフの白いカメラである。
およそ8年ほど前に衝動的に買ったそのカメラは
相棒として大変気に入っていたものの、
スマホの便利さに心が奪われ、
いつの間にかお役御免。ここ二、三年は
押入れから一度も取り出すことさえしなかった。
こいつを買った理由は、
旅に持ち歩けるほどのコンパクトな
高性能カメラだったことが大きい。
そのため、一年目の旅の時点では
彼も途中まで旅に同行させていたはずだったが、
でも、やっぱりというべきか、
コンパクトで軽量性を謳っているとはいえ、
旅の荷物としては重たすぎる!!
首から下げて歩いてみると最初はさほど気にならない。ところがしばらくすると、その微量な重みが肩に腰に負担がかかり、
気づくと重たい荷物を抱えて歩くしんどさを覚えてくる。
ブラブラと首から宙にぶら下がる感じも不快になり始め、何より精密機械だった。
もしも変なところにカメラをぶつけて壊れでもしたらと考えだすと
雑な扱いもできなくなり、
より一層そいつの存在が小さなストレスとなって徐々に大きく溜まっていくのだった。
これじゃダメだと実家に送り返したのが、
旅がスタートしてからふた月ほど経った頃である。
やつはチャリ旅には向いていない。身をもってそれを実感し、不要となった彼の存在は、それから行く年月もの間、暗い押入れへと長い期間封印されることになるのである。ーー憐れ
ところが最近、妙にやつの存在が気になって仕方がなかった。
カメラに最近少し興味がある。
前回のチャリ旅以降ちょっと遊び程度に写真を目的とした旅をしてみるのも
悪くないとさえ思うようになっていた。
車での移動なら荷物だって気にならない。
思う存分カメラに勤しめる。
カメラ技術を磨きたい。
趣味でいいから
思うような写真が撮れる喜びを味わいたい!
と期待を抱きつつポチッとスイッチを入れてみる。
色々書かれた機能の十分の一も理解できないわたしには、まだまだ宝の持ち腐れ。
購入から8年経って、早くこいつを使いこなせるようになりたいと、遅ればせながら思うのだった。