チャリ旅日記

旅のことや日常のことを気ままに綴るよ

カメムシと出逢わない方法は

 


どうもリョウスケです

 

 

 

もう少しで暦が冬から春へと変わろうとしている。

この2ヶ月間、私が真剣に取り組んだことといえば

仕事は言うまでもなく、

読書に文章、漢字、それから、、、

寒い部屋で耐え忍ぶ、、ということではなかろうか。。

ここに来た初日に

部屋のあちこちでカメムシの死骸を目の当たりにした瞬間から

部屋の隅に置かれたヒーターを

絶対に使用するべからずという禁止令を己に敷いた。

その日から今日に至るまで

一度もヒーターのスイッチを押していない。

どんなに寒い日が訪れようと、寒波が新潟を襲来しようと、

底冷えする寒さで朝5時頃に目が覚めようと、

ヒーターに伸びかけた手を力尽くで押さえ付け堰き止めてきた。

寒波さえもかい潜ったいまの私に

もう恐れるものはない。

3月になれば暖かくなり、暖かくなりさえすれば

ヒーターなど不要になるはずである。

いや、待てよ!

そもそもどうしてヒーターを付けないことを決めたかというと

カメムシの習性を理解しているからである。

奴らの主な活動時期は

夏から秋にかけての過ごしやすい気候になった頃と、

冬から春にかけての陽気な温かみが増してきた頃である。

その二つの時期に異常発生する彼等は

それらの時期が過ぎると忽然と姿を消してしまう。

文字通り消えたわけではない、、

冬眠するのである。

建物の隙間や窓の隙間や車の隙間や布団の隙間など

とにかく外気を遠ざける隙間という隙間に避難して冬を過ごす。

ところが部屋を温めると

彼等は春になったと勘違いしてどこからともなく

隙間という隙間から

事もなげに挨拶もなしに現れるらしい。

その生態に多少詳しい私は

部屋にカメムシの死骸を発見した瞬間から

部屋を温めないという作戦に興じていたわけである。

作戦は見事に成功し

寮に来てから今日まで、一度も彼等と遭遇していない

他の部屋ではちらほらと目撃情報を聞いているにも関わらず、である。

寮の住人からカメムシの目撃情報を耳にする度

それは大変ですね、

と同情しつつも心中では勝ち誇った気持ちで嘲笑ってさえいる。

ところが待てよ! 、、とすると、

春がそこまで来ているということは?!

寒気に負けずここまで来て

あともう少しで寒さに堪える必要がなくなると驚喜したが、

思えば彼等が好きな春がやってくる、、、

ヒーターを使わずとも

自然に、というより、勝手気ままに温かくなれば

 

え、隙間から現れちゃうんじゃない!?

え、これ現れるフラグなんじゃない!?

え、もうすぐ戦う運命なんじゃない!?

 

困った。今までの苦労はなんだったのか、、、

マイナス10度の極寒の室内で毛布に包まって過ごしたあの日々

寒くて眠れない夜長を温かいスープを夢想して我慢したあの夜

内股に手を挟んですり合わすと少し温かいことを知ったあの刹那

ここでやつらと出くわしたら全て水の泡だ

 

今日も私は部屋の隅に押しやったヒーターのスイッチを入れずに

寒さに耐える生活に余念がない。

日に日に暖かくなる外気温を肌で感じ、

笑えなくなる日がすぐそこまで来ていることを実感している。