山城の楽しみ方
どうもリョウスケです
旅109日目
2022年9月28日水曜日
天気 曇り
三本の矢という逸話がある。
これは一本だと力を加えただけで簡単に折れてしまうが、三本だと折れにくくなることから、
力を合わせて協力すればどんな困難にも立ち向かえると、三人の息子たちに毛利元就が聞かせた話だと世の中には知れ渡っている。
そんな毛利元就が呟いたかもしれない所縁の地、
郡山城へと訪れた。
郡山城は山城である。
本丸跡に向かうには山を登る必要がある。
山城と聞くと、以前はそれだけで憂鬱だった。
たいがい山城は残る遺構が少ない
現存する建物がほとんど残っていない山城は、素人目にはほぼ「何もない」に等しかった。
そのため何もないとわかっていながら傾斜のきつい山道を本丸目指して登らねばならず、ゲンナリしながらいつも苦労して目的地にたどり着いては、本丸跡と書かれただけの看板を前に脱力して溜息を漏らしたものだ。
だけど、最近のわたしは違った。
いまのわたしは山城を楽しむ自信がある。
ーー何もないだって?
そんなはずがないのだ。
百名城に選出された時点である程度の遺構が残っていることは間違いない。
要は、それに気づくかどうか、
それを楽しめるかどうかなのである。
そういう意味では郡山城はかなり玄人好みの渋い山城だった。説明書の看板がなければ気づきもしない遺構のオンパレード!
それでも微かに残る城郭の痕跡がここがかつてお城だったことを静かに伝えている。
・城郭の全貌を語り継ぐ石垣群
・敵の侵入を阻む堀や堀切
・籠城戦には欠かすことのできない水源跡
それだけで充分最高だった。
ここにかつてお城があって、いくつも建物が立ち並び、石垣がそびえ立ち、敵と戦うためにあらゆる工夫と推敲がなされた痕跡から当時の情景に想いを馳せてみる。
それが何よりも、めちゃくちゃ面白いではないか!
、、、と先日友人何人かに熱く語ると
苦笑いが7割だった。
いつの間にかもう戻れないところまで来てしまったことを、その瞬間痛感したのである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
毛利家についてのことがいろいろとわかる資料館。
本丸跡に向かう山道の途中には毛利元就のお墓がある。ここだけ空気がなんだか違うような気がした。
元就のお墓
矢印が三本の矢
例によって本丸跡と書かれた石塔が立つ。
石垣について書いたけど、郡山城はほとんど石垣が残っていない。代わりに石垣をなんらかの事情で壊した痕跡だけが残っている。これはこれで歴史的な実情を伝えているため興味深い。
堀切。溝を人為的に掘ることで敵を足止めする効果がある。
こういう山城の特権は、人気のお城と違って人がほとんどいないため、好きなように思う存分堪能できること。静か過ぎて少し怖くもあるけど。
毛利元就像。できればもう少しかっこよく作ってほしかったな、、、。