チャリ旅日記

旅のことや日常のことを気ままに綴るよ

天才の人

 


どうもリョウスケです

 


旅154日目

2022年11月17日木曜日

天気 はれ

香川[さぬき市→高松市

 


彼はきっと日本のレオナルド・ダヴィンチに近い存在だと思う。

そのくらい彼は万能の天才だった。

 

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ーーー平賀源内、

香川県出身の日本の偉人である。

 

彼のことは名前だけなら知っていた。

でも何をした人物かと聞かれると

あまりよく知らないと頭を傾げる。

おぼろげに何かしらの発明家だったような

気がするが、、、

と自信なさげに答える程度だ。

 


そこで彼の育った街に訪れ

彼の記念館に行ってみることにした。

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@@@@@@@

 

 

さて、彼の経歴を一言で表すと

発明家でもあり、薬草学者でもあり、

アーティストでもあり、

文学者でもあったのだというーー。

 


・・・とても一言では表しきれなかった。

 

でも、

すべて本当の話である。

 

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日本で初めてエレキテルを発明し

薬草学者として全国に名を轟かせ

美術家として杉田玄白の解体新書の挿絵を

描いた画家に、

美術のイロハを教えたのも彼であり

研究費を稼ぐために小説や舞台脚本まで作り

好評を得ていたというーー。

 


やっぱり一言でなんて表しきれない。

だけど全部本当の話なのだ。

これが一人の人間の話だというのだ。

 

 

びっくりである。驚愕である。おどろきである!

その才能の十分の一でいいから貰いたい。

むしろください。頂戴いたしたき思ふに候!

 


さらに驚かされたエピソードは、

土用の丑の日」と呼ばれる鰻を食べる風習。

あれが実は彼が売上に悩む鰻屋さんに、

ある日提案したことが始まりとされている。

 


何だその話は!

天才的な頭脳と名声だけじゃ飽き足らず

逸話まで完璧ではないか。

 

これだけ知られた鰻の日だというのに、

彼のエピソードとして認知されずそのまま常識化している点が、

逆に彼の何気ない凄さを物語ってもいる。

 


わたしもそんな人物になりたかった。

名声を欲しいままにし

適当に呟いた「ダンスインパクトサンシャイン」が

人知れずSNSを通して世界規模で大流行。

「えいえいおー」に取って変わる

令和に新しく生まれた士気を鼓舞する掛け声として

人々の間で習慣化される、、、

 


そんな影響力のある人間に、

わたしもなりたかったとぼんやりと考え。

「おいおいちょっと待ってくれよ。

もう自分の人生に見切りをつけてしまったのか」と

己自身に問いただす。

 


人生まだまだこれからに違いない。

きっとまだ間に合うはずだ。

 


そうと決まれば今日から「ダンスインパクトサンシャイン」と一日三回SNSで呟こう。

誰かに届くと信じて親指に念を込めるのだ。

 


平賀源内にオレはなる!

と完全に間違った方向で帰着するのだった。

 

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f:id:kryo428:20221124164812j:image平賀源内のお墓。こういうのって写真撮っていいのか戸惑うよね。過去の偉人のお墓だったら良いのかなって思うようにしている。


f:id:kryo428:20221124164819j:image彼は杉田玄白と親友のような間柄だったという。夏目漱石正岡子規が仲良かったみたいに、天才は天才と馬が合うのかもしれない。


f:id:kryo428:20221124164832j:image旧宅。


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f:id:kryo428:20221124164822j:image薬草のお茶をご馳走してもらえる。意外と飲みやすくてびっくり。


f:id:kryo428:20221124164828j:image庭には薬草がたくさん


f:id:kryo428:20221124164835j:image屋島へ。


f:id:kryo428:20221124164839j:image屋島神社


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f:id:kryo428:20221124164845j:image屋島は源平の合戦場だったとされる場所。源義経が平家と戦った地を山から見下ろすことができる。


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f:id:kryo428:20221124164856j:imageこの大きな海と川で様々なドラマが巻き起こったと言い伝えられている。あのあたりの歴史に疎いわたしには、知らないことが多すぎて少し難しかった。好きな人なら、かなり興奮できる場所だと思う。

 

f:id:kryo428:20221124165636j:image廃墟と化したホテル


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f:id:kryo428:20221124165646j:image昔使われていたロープウェイ


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f:id:kryo428:20221124165650j:image見たことない自販機。何年前の?


f:id:kryo428:20221124165653j:imageこの人々から忘れ去られた風景に無性にときめく。


f:id:kryo428:20221124165657j:image猫ちゃん。にゅーん


f:id:kryo428:20221124165700j:image屋嶋城跡。門のあった場所だけが発掘調査で判明し、復元されている。


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f:id:kryo428:20221124165710j:imageお寺。お遍路さん


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f:id:kryo428:20221124165728j:imageかわらけ投げ。観光地によくある。自分がやることはないが、やっている人の姿を見るのが好き。下手だなぁと心の中で呟きながらぼんやり見ている。


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f:id:kryo428:20221124165735j:image鬼?

 

 

開幕宣言!

 


どうもリョウスケです

 


旅153日目

2022年11月16日水曜日

天気 はれ

徳島→香川[鳴門市→さぬき市]

 

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香川県についにたどり着きました。

 


ここで一つ宣言しておきます。

 


わたし香川で

どうしてもやりたいことがありまして。

それは香川でしかできないことで、

そのためならば、

多少の出費は覚悟の上でございます。

 


香川に来て、

これをせずして何をする!

うどん食わずに何を食う!ーードン!

 


・・・というわけで、

香川に数多あるうどんの名店調べ上げ

うどんを食って食って

食いまくるうどん巡りツアーを勝手に開催!

 


そのためなら多少の出費はご愛嬌。

一食二百円以内が旅でのルール。

気にせず食うのが香川で設けた

特別ルールだ。ーーわっしょい!わっしょい!

 


うどんを食って食って食いまくる

そんな旅がいま始まるのである。ーーべべん!!

 

 

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f:id:kryo428:20221123143637j:image壁に描かれた猫のアート


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f:id:kryo428:20221123143646j:imageモデルさん?


f:id:kryo428:20221123143641j:image四国最後の香川県


f:id:kryo428:20221123143649j:imageダムからの眺め

 

 

お遍路さん。

 


どうもリョウスケです

 


旅151日目

2022年11月14日月曜日

天気 はれ

徳島[徳島市

 


四国を旅していると

お遍路さんとたくさん遭遇する。

 


あっちにもお遍路

こっちにもお遍路

 


編笠かぶって、白い袈裟を羽織って、

棒杖片手に歩いている。

 


お遍路さんについて

あまりよく知らなかった。

 


ルールみたいなものはあるのだろうか。

回る順番は決まっているのか。

その格好は固定なのか。

必ず歩いて巡らないとならないのか。

続けてすべて回るのか、

それとも期間を分けて回ってもいいのか。

何か志みたいなものは必要なのか。

そもそもお寺での作法は誰か教えてくれるのか。

 


気になることばかりだ。

これまでほとんど興味すらなかった

はずなのに、

四国を巡っていると

嫌でも気になってしまうのである。

 


それくらい、

四国にはお遍路さんが

あっちにも

こっちにも

至る所に溢れているのだった(ポケモンみたい)。

 

 

 

徳島市には一番さんと呼ばれる

八十八あるお寺のうち、

つけられた番号が「一番」のお寺がある。

 


ここからスタートする人が多いそうで

必要な道具類もここですべて購入できるという。


もしかしたらお遍路さんについて

何かしら詳しくわかるかも知れないと思い、

行ってみることにした。

 

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街から離れた郊外にひっそりとある一番寺は

一番だけあって大きなお寺だった。

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大きな本堂と、

二重塔が脇に聳え、

池には上品な鯉が泳いでいる。

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本堂でお参りを済ませ

道具を販売しているお店に行くと、

お遍路に必要なものがすべて揃っていた。

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ーーー編笠に袈裟に数珠に木の杖に古文書みたいな本に、、、

 


ここで購入すれば

今すぐにでもお遍路旅が始められる。

 


だが、一つ一つの値段を見ると驚愕した。

どれもが2、3千円超えである。

すべて揃えるとなると、、、ああ、そうか。

 


余裕で新しいソロ用テントが買えそうだった(いま欲しいやつ)。

 


意味もなく憔悴しきって店を出る。

結局のところお遍路について

あまり詳しいことはわからなかった。

 


わかったのは、

始めるからには覚悟が必要だということだ。

 


気軽に始めて、めんどうくさいから

やっぱやーめた!

では許されないほどの初期費用がかかる。

 


思えばなんだってそうで。

この旅だって始める前には安くもない、

けれど旅には絶対にかかせない装備品をすべて揃えてから、

旅をスタートしている。

 


お遍路さんだってやるからには

覚悟を決めて始める必要があるということ。

 


今のわたしにはまだその覚悟はないけれど

いつかきっと、、、

と思えるほどには、

お遍路さんにわたしの心は興味津々である。

 


信仰とかまったくないし、

お釈迦様もキリストも

歴史上の偉人としてしか見てないわたしだが(偉人としてリスペクトしている)

お遍路さんをただチャレンジ精神のみで

始めてもいいものかどうか。

 

とりあえず、Googleで色々調べてみてから

考えてみようと思うのだった。

 

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f:id:kryo428:20221122204713j:image霊山寺。お遍路の一番の番号がついたお寺


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f:id:kryo428:20221122204729j:image中がキレイ


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f:id:kryo428:20221122204726j:imageこの格好で街中を歩くのに抵抗がある。四国にいるあいだはあまり抵抗を感じないのだろうか。全身モンベル製品で販売してくれたら、、、


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f:id:kryo428:20221122204722j:imageベートーヴェンの像。なぜにこんなとろに!?と思っていたら、この近辺では第一次世界大戦で捕虜になったドイツ人たちが、ここで演奏会を開催(自由な生活が認められていた)。ベートーヴェン「第九」が披露されたことを記念して像が立てられている、、、らしい。


f:id:kryo428:20221122204706j:image徳島ラーメンが食べられるお店


f:id:kryo428:20221122204719j:image徳島ラーメンは濃厚なスープが特徴的で、


f:id:kryo428:20221122204659j:image生卵を乗せて食べるのが一般的。ご飯と合うということで(この店ではご飯が無料でお代わり自由)、普段やらないラーメンライスに挑戦。めちゃくちゃ合う!! あっという間にご飯一杯完食。


f:id:kryo428:20221122204656j:image二杯目はお代わり無料の生卵を乗せて卵かけご飯。ーー完璧だった。最後に、残ったスープにご飯と卵で雑炊にして食べるところまでパーフェクト! 徳島ラーメン恐るべしである。

 

 

美術本をめくるみたいに

 


どうもリョウスケです

 


旅152日目

2022年11月15日火曜日

天気 はれ

徳島[つるぎ町徳島市→鳴門市]

 


世界中の名画が揃う

最強の美術館がある。

 

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ーーー大塚国際美術館はまさに最強!

 

ダヴィンチ、フェルメールゴッホピカソ

モネに、レンブラントに、ムンクなど、

世界中にその名を轟かせる

最高峰の画家たちの、

誰もがよく知る作品たちが一同に勢揃い。

ーーと聞けば

夢のような美術館だったのだが、、、

 

その実態は、

すべて本物に忠実に似せたレプリカだった。

本物は一枚も展示されていない。

 

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大きな美術館である。

すべて巡ると四キロ近くにもなると言われ、

壁にはほぼ隙間なく美術作品が展示されている。

 


何がすごいかって、

展示された作品のほぼすべてに詳細な説明書きがされており。絵はすべて原寸大。レプリカだけに写真撮影もOKなので、何枚でも写真を撮影することができる。

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当初入館料の高さから

レプリカのくせに高すぎだと、

行くかどうかでしばらく悩んでいたが

行ってみて気づいたことは、

美術館を巡るのと

作品の鑑賞の仕方が変わることだった。

 


いつもなら作品一つ一つを目に焼き付けようと、

細部までじっくり観察するのが

わたしの美術館での鑑賞のやり方だった。

 


だがレプリカしかないここでなら、

もっと気楽に作品を鑑賞できる。

 

気楽だからこそ気づける部分も多く

それはまるで美術本をめくるような感覚にとても近かった。

こんな作品もあるのかと

あんな作品もあるのかと

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ページをめくるように作品を見て回り、

気になる絵の前では立ち止まってじっくり鑑賞。

 


ただし、

美術本と決定的に違うのは

原寸大で展示された作品たち。

 


美術本はその本の大きさに準じて

本来より小さかったり

大きかったりすることもあるだろう。

でも大塚国際美術館は作品をほぼ原寸大で展示されているため、

作品のイメージがとてもしやすい。

 


なぜこんなに大きく

あるいは小さなキャンパスに描いたのか、

画家の思いを作品の構図だけでなく

作品の大きさからも想像でき。

作品から伝わる印象も、

大きさだけで随分と異なるため

より本物に近い印象で鑑賞することができた。

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そんなこんなで夢中になって鑑賞していたら

時間が驚くほど早く過ぎていき、

あれ、ここは時空が歪んでいるのでは、、、

と思うほどのスピードで、

あっという間に閉館を知らせるメロディーが

館内中に響き渡る。

 


後半は急ぎ足で見て回っていたのに、

それでも時間が足らず、

最後は走るように作品の横を素通りして出口へ。

 


あと一時間、いや、二時間は欲しかった。

五時間では足りなかったから

またリベンジしたいと最強の美術館を後にした。

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f:id:kryo428:20221121210836j:image大鳴門橋。徳島と淡路島を繋ぐ大きな橋。橋の下で渦潮が発生することで有名


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f:id:kryo428:20221121211005j:image橋の下に作られた遊歩道を歩くことができる。


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f:id:kryo428:20221121210943j:image長い道が橋の中間あたりまで続いていて、景色を眺めたり、渦潮を観察したりすることができる。


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f:id:kryo428:20221121211053j:image下を覗ける足場


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f:id:kryo428:20221121210910j:image写真じゃ伝わりづらいけど肉眼でも分かりづらい。どれが渦潮で何が渦潮なのか。もしかしたらすべて渦潮ではなかったのかも、、、


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f:id:kryo428:20221121211001j:image大聖堂みたいな部屋まで作られている


f:id:kryo428:20221121211009j:image天井の絵


f:id:kryo428:20221121211042j:imageゴッホの部屋


f:id:kryo428:20221121210917j:imageを見ながら描かれた絵を忠実に再現した部屋。


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f:id:kryo428:20221121210914j:image一階は壁画などが多い


f:id:kryo428:20221121211100j:image2階より上は絵画ばかり


f:id:kryo428:20221121211029j:imageダヴィンチの岩窟の聖母。2枚描かれた絵だが、本来は別々の場所に展示されている。ここだからこそ、隣同士で見比べて鑑賞できる。


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f:id:kryo428:20221121210849j:image最後の晩餐。上が修復前のやつで、下が修復後のやつ。こういう展示のされ方もおもしろい


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f:id:kryo428:20221121210939j:image斜めから見ると骸骨が


f:id:kryo428:20221121210843j:imageモネの睡蓮


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f:id:kryo428:20221121210935j:image不気味な部屋。飾られている絵も不気味。


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f:id:kryo428:20221121211020j:imageゴッホのひまわりも並べて鑑賞できる。全部で7枚。並べて初めてその違いに気づくことができる。


f:id:kryo428:20221121211013j:imageこの絵はすでに消失したゴッホのひまわり。写真だけ残っており、それをもとに再現されている。こんなことも実際の美術館ではできないこと。


f:id:kryo428:20221121210954j:image青い。これも芸術


f:id:kryo428:20221121210859j:imageピカソゲルニカ。最後の最後に展示されていて、あやうく時間的に見られないところだった。


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f:id:kryo428:20221121211108j:image

 

 

剣山に挑戦なのだ!!

 


どうもリョウスケです

 


旅150日目

2022年11月12日土曜日

天気 はれ

徳島[三好町→剣山→つるぎ町

 


ここ数日もの間、ある標高の高い山の登山口を目指してひたすら走り続けてきた。

 


ーー『剣山』という名の百名山

四国で石鎚山の次に標高が高く、山が徳島県の中腹に聳えているため、行くだけでかなり一苦労。

 


距離の近い道から向かうか。遠く回り道してから向かうか、、、。

 


地図を開くと距離の近い道はぐにゃぐにゃ峠のオンパレードで、過酷な道のりが容易に想像がつく。

とはいえ遠回りしたところで、最終的に登山口の標高1400メートル地点まではどうやっても行き着く必要があるため、楽な道のりなど存在しないのは明らかだった。

 


うーんと考え、祖谷渓経由で登山口を目指すことに。

 

 

 

そうしてようやく登山口にたどり着いたのが出発から三日後の今日である。

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遠回りしたところでやっぱり坂道は超大変。心身ともに疲れ果て、それでもここからが本番だ! と気合いを再びいれると、いざ百名山へと登り始めた。

 

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剣山には中腹までリフトがあって、途中まで登ることができる。だが登山をしにきたのだ。リフトごときにお金を使うなんてバカバカしいと、歩いて麓から登ることに。

 

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まずはリフトの降り場を目指して進んでいく。歩きやすい登山道は疲れることなくサクサク登ると、四十分程度でリフト降り場へ。

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少し休憩を挟むと、今度はいよいよ山頂目指して登り始める。

 

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適度に水分をとりながらサクサクと登り続けること四十分。山小屋のような建物が見えてきて、

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「あれ、こんな途中に山小屋なんかあったかな」

と思いながら、さらに山頂目指して山小屋の横に設置された階段を登っていきーーー。

 

はたとそこで気がついた。

 

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ーーー山頂である。


階段を上るとそこがどう見ても山頂だった。

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登山開始から一時間半。体力はまだまだ有り余り、登山口で気合を余分に入れ過ぎた分、むしろ持て余すほどの気力が体全身を漲っていた。

 


ハイキング程度の山だとは聞いていたが、登山口にたどり着くのに三日もかかっただけに、なんだか釈然としない。

これなら近所にある小高い山を陽気に登るのと、たいして変わらないとさえ思える。

 

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景色はこんなにも美しいのに、わたしが欲していたのはきっと達成感なのだ。

三時間は超える登山道、ゴツゴツした歩きづらい岩場、強いられる苦労、絶望的なハプニング、それらを乗り越え、ついにたどり着いた山頂からの大絶景!!

 


・・・不完全燃焼である。

 


こんなんで満足できると思ったら大間違い。せっかく三日もかけたのだから、それに釣り合いの取れる達成感が欲しかった。

 


責任者もとむ!

わたしをもっと苦労させてくれ!

 


・・・まさかそんなことを山登りに望む日がくるなんて。自分でもびっくりである。

 

 

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f:id:kryo428:20221119215213j:image9時20分登山開始!


f:id:kryo428:20221119215155j:image山頂まで4キロ


f:id:kryo428:20221119215152j:imageこれに乗れば楽だけど、歩いたところで4、50分、、、それを長いと思うか短いと思うか。


f:id:kryo428:20221119215254j:imageリフト降り場のすぐ側にはキャンプ場がある。少し惹かれたけど、荷物をそこまで担いで登らなきゃいけないのと、この時期クソ寒いだろうと考えて断念。


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f:id:kryo428:20221119215201j:image途中に神社がある


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f:id:kryo428:20221119215239j:image山頂は平坦な景色が広がっていて、のんびりと過ごしやすい。


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f:id:kryo428:20221119215224j:image11時ちょい過ぎ山頂到着


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f:id:kryo428:20221119215222j:image四国にも熊が出るのか!?


f:id:kryo428:20221119215209j:imageこういう足場が設置されていて、座ってご飯をたべたり、寝転んで昼寝をしたりする人もいる。


f:id:kryo428:20221119215248j:image山頂で恒例化したコーヒー!! でもいまは寒いため、お湯を沸かしてカップ麺を食べてる人が心底羨ましい。


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f:id:kryo428:20221119215227j:imageリフト降り場に到着!


f:id:kryo428:20221119215207j:image1時少し前登山口に帰還


f:id:kryo428:20221119215149j:imageあれが離れたところから望む剣山。こうして見ると剣感があまりない。

 

 

五百円の橋の価値

 


どうもリョウスケです

 


旅148、149日目

2022年11月11日金曜日

天気 はれ

徳島[徳島市→東みよし町→三好市

 


ーーー橋を渡るだけで五百円

そんなバカなと最初は思った。

たかが橋を渡るだけじゃないか!

 


だけども

せっかくここまで訪れたのだからと

渋々受付で五百円を支払うと、

やれやれと虚脱感を背中にしょい込み

噛み締めながら橋を渡る。

 

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祖谷渓にあるかずら橋と呼ばれる橋は

カズラと呼ばれる蔦を巻いて作られた

とても珍しい吊り橋だった。

 

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見た目は祖谷渓の渓谷や、

森林風景に橋がとても馴染んでいて

大自然の一部となったみたいで美しい。

 

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渡る人々が一歩一歩と

ゆっくり渡るのを呆然と観察しながら

貧乏性のわたしじゃあるまいし、

五百円にどれだけ噛み締めながら渡るんだろうと

苦笑しながら見ていたが、

いざ渡ろうと足を踏み出したその瞬間、

あ、そうじゃない!?ーーと気がついた。

 

 

 

かずら橋は足場に等間隔で打ちつけられた

木の板の上を、

歩いて渡ることになるのだが、

この板と板の隙間が思いのほか広いのだ。

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高さ10メートルはあろうかと思える橋の上。

踏み外せば体ごと落下しそうでとても怖い。

しかも人が多いと

その分めちゃめちゃ揺れるから

尋常でない恐怖をその身に強いられた。

 


ーーーどれだけの時間が経っただろう。

 

恐る恐る一歩、

また一歩と慎重に集中しながら渡るため

もはや時間の感覚などまったくない。

 


たった数分しか経ってない気もするし、

数時間にも及ぶ激闘の時間にも思える。

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どれだけ進んでもゴールまでは程遠く。

後ろから人が来てたらどうしようと気にしながら

後ろを確認する余裕さえ、

それどころか、

景色を望む余裕さえ一秒たりともなかった。

 


とにかく足元だけに全集中。

踏み外さぬよう

ゆっくり時間をかけて前進していき

ついに橋の向こう側へとたどり着く。

 

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最後の木板に足を乗せると

ほっと胸をなでおろす。

緊張した心臓はバクバクで手足は震え

手の平にはじっとりと汗をかき、

次第にそれが収まってくると

どこぞのテーマパークのアトラクションを

やり終えたような達成感が

沸々と湧き上がってくるのを肌で感じる。

 


橋を渡るだけで五百円という値段設定に

当初は全然納得できなかったが、

橋を無事渡り終え達成感と疲労感と満足感に満たされたいま、

その五百円の価値にそこはかと気づくのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

f:id:kryo428:20221118234734j:imageえ、


f:id:kryo428:20221118234727j:imageええ!?


f:id:kryo428:20221118234649j:imageえええー!!!


f:id:kryo428:20221118234747j:image抜群の時期に訪れる。


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f:id:kryo428:20221118234806j:image
f:id:kryo428:20221118234753j:imageん?


f:id:kryo428:20221118234824j:imageおい、お前なにやって、、、


f:id:kryo428:20221118234813j:imageえ、おいおいおい!!


f:id:kryo428:20221118234721j:imageやりやがったよこいつ〜!!

 

f:id:kryo428:20221118234705j:imageというわけで、祖谷渓にはなぜか小便小僧の像がある。これがどういうわけかとても風景にマッチしていて、なぜか美しくもあるのだから、人間の感性は計り知れない。


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f:id:kryo428:20221118234724j:image紅葉が美しい


f:id:kryo428:20221118234740j:imageかずら橋


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f:id:kryo428:20221118234643j:imageすでに怖い。


f:id:kryo428:20221118234810j:image捕まってないと怖くて渡れない。


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f:id:kryo428:20221118234743j:imageおばちゃんが早くて付いていけなかった


f:id:kryo428:20221118234708j:imageここまでくると安心。


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f:id:kryo428:20221118234659j:imageかかしの村


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f:id:kryo428:20221118234756j:image小さな村にカカシがそこらじゅうに置いてある。誰が最初に始めたんだろう。もともと観光目的で村が総出で始めたのか、誰かの趣味が発端となって始まったのか、すごく気になる。


f:id:kryo428:20221118234712j:imageキャンプ場のあるところでこの標高。がんばった、、、


f:id:kryo428:20221118234803j:imageキャンプ場はもう一つのかずら橋がある場所にあって


f:id:kryo428:20221118234750j:image川を渡った先にあるため本来なら野猿と呼ばれる乗り物を使って荷物を運んだりするのだけど。ーーこの日は故障中


f:id:kryo428:20221118234702j:imageそのためここでもかずら橋を渡ってキャンプ場に行くことになった。荷物を持って渡るから、手足が使えず怖さ倍増。楽しいけど夜は絶対渡れない。

 

 

観る阿呆宣言!

 


どうもリョウスケです

 


旅146、147日目

2022年11月9日水曜日

天気 はれ

徳島[那賀町→河南市→徳島市

 


踊る阿呆に観る阿呆

同じ阿呆ならおどらにゃそんそん!

 

 

 

ーーー。

と言われたからって、

ふざけるな!と思うわけである。

なぜ他人の前で踊らなきゃいけないのだ。

恥を晒してまで踊りたくない

踊るくらいなら

黙ってじっと観る阿呆でいたいと強く望む。

誰がなんと言おうと、

断固拒否する姿勢を貫くことに依存はなかった。

 


それでも阿波踊りには興味があった。

興味があるからには、

生で見たいとある施設に訪れたのだった。

 

 

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徳島は阿波踊り発祥の地だ。

街の中には『阿波踊り会館』というのがあり、

連日そこで阿波踊りを観覧することが

できると聞いて、

これは行くべきやつだ、と行ってみることに。

 

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観覧料を支払って、

小さな劇場のようなフロアに入ると

鼓や三味線や鉦の音頭にあわせて祭り衣装に身を包んだ人々が、

愉快に踊りながら登場。

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女性は編笠をかぶり

男性はほっかむりを巻いて

軽妙な音頭と共に小さな舞台上を

縦横無尽に踊り子たちが乱舞する。

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基本は同じでも

女性と男性では踊り方に微妙な違いがあり、

女性は腰を正して

膝をテンポに合わせて少し上げる。

男性は腰を落として

足をテンポに合わせて少し前にだす。

それだけで女性には軽快さと色気が漂い(主観)

男性には陽気さと迫力が生まれる。

 

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見ているだけで十分楽しかった。

これでいいのだ、これで。

祭りは見物するもの、

やるのは一部の人間だけでいい。

このまま見物人として

祭りを満喫するのが一番楽しいに違いない、、、

 


そうしているとやがて音が止み、

ーーでは皆さんも一緒にやってみましょう!

と代表の人がにこやかに言い始めた。

 


ついにきたかと

断固として踊らない姿勢を貫こうと

背もたれに深く腰をかける。

 


すると代表の人が

ーー座ったままでいいのでフリを真似してください

と手のフリと足のフリを教え出し、

腰掛けた状態でいいならと

それに倣って手と足を右に左に交互に前に。

 


ーーではその場で立ってやりますか

 


と会場全体が立ち上がり

気づくとわたしもつられて立って

右に左にテンポに合わせて交互に前に。

 


徐々に楽しくなってくると

ーー今度は右に向かって歩いてみましょう

ーー最後は左に向かって歩いてみましょう

鉦の音頭に合わせてカンカンカン

右に左に手足を前にカンカンカン

 


会場みんな笑顔で踊って

絶えない笑い声につられてわたしも自然と笑顔に。

 


踊る阿呆が会場全体を包み込むと

断固とした姿勢はどこへやら

いつの間にか観る阿呆はどこかへ立ち去り、

踊る阿呆の仲間入り。

 

 

右に左にカンカンカン

じじいもばばあもカンカンカン

無職金なし男もつられて一緒にカンカンカン

 

 

老若男女踊り踊って

リズムばらばら

手足ガタガタ

それがどうした。それでいいのさ。

お祭りだものと大狂乱!!

 

 

 

・・・なるほど。

踊る阿呆に観る阿呆

同じ阿呆ならおどらにゃそんそん!

 


そういうことかと骨の髄まで実感した。

やってみないとわからないこともある。

 


ふわふわとした高揚感で外に出ると、

奥手だったこれまでの自分の行いを少し反省するかのように、

右に左に手足を前に出しながら

踊らにゃそんそんと会場を後にしたのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

f:id:kryo428:20221117215704j:imageダムを見かけると少し立ち寄りたくなる。


f:id:kryo428:20221117215713j:imageこういうのにいつかチャレンジしたいなと思いつつ。


f:id:kryo428:20221117215647j:image例のあれ。やっぱりスマホのカメラでは限界がある。上手く撮る方法があったら教えてほしい。


f:id:kryo428:20221117215556j:image徳島城。石垣などの遺構だけが残る徳島で唯一のお城。


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f:id:kryo428:20221117215602j:image復元された門。戦果で消失するまでは現存していた。


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f:id:kryo428:20221117215637j:image城内は地域の人々憩いの公園として利用されている。平日でも多くの人々で賑わっている印象。写真からは分かりづらいが、周りに幼稚園児がたくさんいた。それをあえて映らないように撮る努力よ


f:id:kryo428:20221117215716j:image城内にある歴史博物館。いつもそうなのかはわからないが、常設展示より特別展の絵画などの展示が遥かに多かった。そのため徳島城の歴史についてあまり学べなかったのが残念。何でだろう、、、


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f:id:kryo428:20221117215719j:imageお庭。


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f:id:kryo428:20221117215539j:image遠くにビル群が見えると一気に興醒めしちゃうね。


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f:id:kryo428:20221117215631j:image本丸跡。徳島城平山城で、山の上に本丸があって、麓に館があった。


f:id:kryo428:20221117215628j:image眉山徳島市を代表する山


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f:id:kryo428:20221117215606j:image城内に機関車があった!?


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f:id:kryo428:20221117215618j:image蜂須賀家政徳島城を築城した人


f:id:kryo428:20221117215615j:image徳島駅


f:id:kryo428:20221117215657j:image阿波踊り会館


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f:id:kryo428:20221117215625j:image40分の公演。踊りの披露から、楽器の紹介、特殊な踊り方の紹介、踊り方を教わり、全員でやり、最後にもう一度踊りを披露してもらい、ーー幕。ちょうど40分きっかりに終わったことに、すごくプロの力を感じた。

 

f:id:kryo428:20221117213835j:image阿波踊りの歴史を学べるミュージアムも会館の中にある。阿波踊りはもともと地方の盆踊りが起源になっていて、時代によっては街中で躍るだけで牢獄にぶち込まれたこともあるという。ウソみたいな話


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f:id:kryo428:20221117215710j:imageなんか見つけた。


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f:id:kryo428:20221117215549j:image
f:id:kryo428:20221117215653j:imageなんか見つけた。