どうもリョウスケです
旅148、149日目
2022年11月11日金曜日
天気 はれ
ーーー橋を渡るだけで五百円
そんなバカなと最初は思った。
たかが橋を渡るだけじゃないか!
だけども
せっかくここまで訪れたのだからと
渋々受付で五百円を支払うと、
やれやれと虚脱感を背中にしょい込み
噛み締めながら橋を渡る。
祖谷渓にあるかずら橋と呼ばれる橋は
カズラと呼ばれる蔦を巻いて作られた
とても珍しい吊り橋だった。
見た目は祖谷渓の渓谷や、
森林風景に橋がとても馴染んでいて
大自然の一部となったみたいで美しい。
渡る人々が一歩一歩と
ゆっくり渡るのを呆然と観察しながら
貧乏性のわたしじゃあるまいし、
五百円にどれだけ噛み締めながら渡るんだろうと
苦笑しながら見ていたが、
いざ渡ろうと足を踏み出したその瞬間、
あ、そうじゃない!?ーーと気がついた。
かずら橋は足場に等間隔で打ちつけられた
木の板の上を、
歩いて渡ることになるのだが、
この板と板の隙間が思いのほか広いのだ。
高さ10メートルはあろうかと思える橋の上。
踏み外せば体ごと落下しそうでとても怖い。
しかも人が多いと
その分めちゃめちゃ揺れるから
尋常でない恐怖をその身に強いられた。
ーーーどれだけの時間が経っただろう。
恐る恐る一歩、
また一歩と慎重に集中しながら渡るため
もはや時間の感覚などまったくない。
たった数分しか経ってない気もするし、
数時間にも及ぶ激闘の時間にも思える。
どれだけ進んでもゴールまでは程遠く。
後ろから人が来てたらどうしようと気にしながら
後ろを確認する余裕さえ、
それどころか、
景色を望む余裕さえ一秒たりともなかった。
とにかく足元だけに全集中。
踏み外さぬよう
ゆっくり時間をかけて前進していき
ついに橋の向こう側へとたどり着く。
最後の木板に足を乗せると
ほっと胸をなでおろす。
緊張した心臓はバクバクで手足は震え
手の平にはじっとりと汗をかき、
次第にそれが収まってくると
どこぞのテーマパークのアトラクションを
やり終えたような達成感が
沸々と湧き上がってくるのを肌で感じる。
橋を渡るだけで五百円という値段設定に
当初は全然納得できなかったが、
橋を無事渡り終え達成感と疲労感と満足感に満たされたいま、
その五百円の価値にそこはかと気づくのだった。
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え、
ええ!?
えええー!!!
抜群の時期に訪れる。
ん?
おい、お前なにやって、、、
え、おいおいおい!!
やりやがったよこいつ〜!!
というわけで、祖谷渓にはなぜか小便小僧の像がある。これがどういうわけかとても風景にマッチしていて、なぜか美しくもあるのだから、人間の感性は計り知れない。
紅葉が美しい
かずら橋
すでに怖い。
捕まってないと怖くて渡れない。
おばちゃんが早くて付いていけなかった
ここまでくると安心。
かかしの村
小さな村にカカシがそこらじゅうに置いてある。誰が最初に始めたんだろう。もともと観光目的で村が総出で始めたのか、誰かの趣味が発端となって始まったのか、すごく気になる。
キャンプ場のあるところでこの標高。がんばった、、、
キャンプ場はもう一つのかずら橋がある場所にあって
川を渡った先にあるため本来なら野猿と呼ばれる乗り物を使って荷物を運んだりするのだけど。ーーこの日は故障中
そのためここでもかずら橋を渡ってキャンプ場に行くことになった。荷物を持って渡るから、手足が使えず怖さ倍増。楽しいけど夜は絶対渡れない。