どうもリョウスケです
旅47日目
2023年5月26日金曜日
三重[熊野市→紀北町]
天気 晴れ
鬼ヶ城と呼ばれる岬を歩く。
ここはかつて鬼の住処だったとされていて、坂上田村麻呂が天皇の勅命によって鬼をここで退治したことで知られた場所だ。現在では熊野古道などと一緒に世界遺産にも登録された景勝地となっている。
鬼がいたなんて言われると、確かにこの岬のゴツゴツとした岩場や、波の侵食で反りかえった荒々しい岸壁や、ザバン!と猛狂う波の迫力は、鬼の住処にぴったりだった。ここに鬼がいたと言われても妙に納得してしまう雰囲気がこの地には漂う。
ところが説明書きをよく読むと事実は多少異なっていることに気づく。
なんと鬼は鬼でも魑魅魍魎とした怪物ではなく、鬼のように恐れられた「海賊」がここをアジトにしていた、ということらしい。
坂上田村麻呂が賊と戦ったのは本当のことだが、鬼などという怪物が実在した話ではなく、事実は意外と現実的な人と人との戦争のお話だった。。。
昔々、ある所に市民を恐怖によって支配していた海賊がおりました。彼らを何とか懲らしめたいと考えた当時の天皇は、坂上田村麻呂という名の勇敢な戦士を海賊退治に送り込みます。味方を引き連れアジトに向かった坂上田村麻呂は、激闘の末に見事に賊を成敗すると、世界にはようやく平和が訪れましたとさ、、、というよくある話である。
だがネットで調べてみると退治されたその賊は、本当は賊ではなく朝廷と敵対していた勢力の人々だったとも囁かれており、坂上田村麻呂の活躍によって朝廷側が勝利したことで、後の世まで敵対した勢力が賊として扱われてきた、という見方もされていると聞いて、
ますます現実的な勝者による歴史の改ざん話で苦笑したくなる。
伝説なんてそんなものである。鬼など初めから存在しないし、ここは鬼の住処でもない。
それを聞いて少しがっかりしたのとちょっとだけ安心したのと。だけど、少しだけ世界の真実に触れた気もして、ちょこっと誇らしげでもあるのだった。
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花の窟 世界遺産
この巨大な岩を祀る神社
岩の頂上から紐を繋ぎ
ずっと繋いで
下まで繋がっている、毎年2回ほど繋ぎ直す行事が行われるらしい。
本当に獅子みたい
鬼というよりトトロ
こんな細い通路を通るところもある
まるで街みたい
ポケモン発見!
熊野古道センター
熊野市の年間の雨量が半端ない。全国平均の二倍
伊勢路と呼ばれる熊野古道の一つ。伊勢神宮から熊野大社を目指して歩いた道。