どうもリョウスケです
旅133日目
2022年10月24日月曜日
天気 はれ
四万十川を地図を開いて覗いてみると、地図上に〇〇沈下橋と書かれた橋がいくつも存在するのがわかる。
なんだろう沈下橋って?
調べると洪水なんかで川が増水しても沈むことを想定して整備された橋だという。
観光サイトでは観光地としても人気があるとうことだったので、だったらこういう旅はどうだろうかと考えてみた。
『沈下橋巡りツアー!!』
ということで沈下橋を自転車でめぐるのである。
沈下橋は四万十川を上流に進んでいくと数キロごとにコンクリート造りの橋が登場する。
中でも一番手前にあった『佐田沈下橋』は特に有名な橋で、のどかな風景と合わさることでより美しい景色をその情景に生み出していた。
まずは自転車を押して歩いて橋を渡ってみる。
のんびりとした時間の流れに次第に心も穏やかになって。川の流れに耳をすますとほっと落ち着く癒しのメロディー
やがて橋を渡り切ると、
次は自転車に乗って折り返す。
沈下橋には欄干がない。水没することを前提として作られているため、欄干そのものがない。そのため漕いでるあいだはどこか不安定な気持ちが常に付きまとう。
それでも美しい景色と空気とまっすぐフラットに作られた橋は走りやすくて、慣れてくるととても心地がよかった。
その後も沈下橋を見つけるたんびに橋まで下りて、写真を撮って、歩いて渡って、自転車に乗って折り返すーーを繰り返す。
景色は毎回美しかった。のどかで綺麗でいて余計なものが何一つ存在しない。橋と川と山と時々お客を乗せた小型舟がゆっくりと目の前を通過するだけ。
のどかに流れる空気の中にいくつめかの橋を見つけると、ふとそこで落ち着いて考えてみた。
これって、まさか、やっぱり、、、
ーーー全部同じじゃねえか!!!
そう、
最初から全部一緒だったのである。
橋も川も山も、、、退屈なほどどの橋に訪れても全部同じ風景だった。同じ形の沈下橋と綺麗な川と壮麗な山の風景があるだけで、他は何もない。
本当に、、、何もない!!
行けども行けども橋と川と山の風景にそれ以上記憶が更新されないのだ。
え、デジャブ? それともパラレルワールドに迷い込んだのか? というより、最初の一つ目だけで既に沈下橋は十分堪能できていたんじゃないか?
よからぬ疑惑が沸々と湧き起こり、それを払拭するために意地になって次の橋へと目指す。
次こそは。次こそは。と思いながら再び同じ景色の橋をぼんやり眺め、そして儀礼的に同じ行為を繰り返し続けた。
気づくとフォルダ内は似たような写真のオンパレード。後から見返してみてもどこのなんて名前の橋か区別がほとんどつかない。
それでもわたしはひたすら同じことを繰り返した。ずっとずっとーー。
ここも美しいなあと見慣れた風景に感動した素振りを演出しながら、自分を誤魔化し続けるのだった。
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下を潜れるらしい。乗ってみたかったけど、値段を見て諦める。こういうのは内容の割に値段が高い
これはただの橋だ。本当になんてことのないただの橋である。
欄干がないから縁に自転車を止めておくと倒れたときにこうなる。もう最悪、、、