どうもリョウスケです
旅238日目
天気 はれ 強風
特大の台風が通り過ぎた翌日
空には晴れ間が見え
風は少し強いが心配する必要はなさそうだ。
全国の至る所で被害があったと聞いている
直撃こそ免れた山口でも、
夜中の間は強い風がぶんぶんと吹き荒れ
昨日は丸一日
用心をして図書館で本を読み耽って過ごす。
萩に3日間滞在するとは思わなかったが
これも何かの縁かもしれない。
松下村塾に再訪し
早朝の誰もいない歴史的建造物を独り占めできた幸せを
心の底から噛み締めながら
まだ訪れていなかった城下町の方にも足を運び
古い町並みを今も残す風景を見学
城下町然とした塀に囲まれた家屋が並ぶ通りを
あてもなくぷらぷら走り
果たしてあの塀は自分で建てたものか
市が建てたものか
はたまた国が建てたものかと疑問を抱き
高杉晋作が生まれたとされる家の前を通り過ぎ
銅像に興奮しながら
敬意を払って挨拶を二、三度繰り返し
遠くに見える萩城を懐かしみながら
またいつか戻ってくるよ・・・と心の中で呟いて
そうして私は、
嵐の過ぎ去った静かな通りを次の街へとひた走る。。
金子みすゞ記念館
童謡詩人として有名な金子みすゞの記念館に行った
長門市の海沿いの近く
昔の本屋を思わせる入り口が目印になっている。
中も本屋みたいになっていて、
その奥には昔の家が再現されている。
どうやら金子みすゞの実家を再現して数年前に建てられた
建物らしく
昔の雰囲気がありながらも
建物自体は新しいから少し不思議な感じ。
庭を通ってさらに奥に進むと記念館になっていた。
記念館の中は金子みすゞの生涯を、
生まれてから亡くなるまでを時系列で紹介している
彼女の残した作品も
館内の至る所に書かれていて
その一つ一つを追いかけるように読み進めていった。
はっきりと金子みすゞの作品と意識して読んだことが
いままでなかったせいか、
どこかで聞いたことのある詩に出会うと
これは彼女の作品だったのかと驚く。
なんとなく柔らかい表現と優しい雰囲気を持った作品が
多いようなイメージで
いままで「詩」というものに
あまり触れてこなかった私の感性を強く刺激する。
少ない言葉の中に
どれほどの意味や想いを込めているのかは
つと全ては分からない。
詩の大きな魅力は
詩に直接触れた本人が
意味や想いを自由に受け取って
解釈できるところにあるような気がする。
「私と小鳥と鈴と」という詩がある
私は空を飛ばないけど小鳥は地べたを走れない
私は揺れても音は鳴らないけど鈴はたくさん歌をしらない
みんなちがってみんないいーーー
彼女の代表的な詩なのかもしれないが
とても心に響くものがある。
この世の中は人と人とを比べがちだ
あの人はああだの、
この人はこうだの、
その事実は私の心を少なからず動揺させていて
どんな凄い人と比べてんだと笑いたくも
なるのだが、
同時にうまく笑えない自分もいる。
関係ないと自分に言い聞かせながら
一番自分が気にしている
みんなちがってみんないいーーー
彼女の詩を読んで固まった肩の荷を降ろそう
うまく笑って
関係ねえわと心の底から言ってやろう
みんなちがってみんないいーーー
そんなことを、
いつか出会うかもしれない自分の子どもに、
綺麗ごとではなく本心から教えてあげれるような人間に
なりたいと思った。。
つづく
リョウスケ
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