チャリ旅日記

旅のことや日常のことを気ままに綴るよ

ダムまでの長い旅の始まり

 


どうもリョウスケです

 

 

 

旅181日目

富山(立山→室堂)

天気  くもり

 

 

 

黒部ダムに行きたかった。

でもどうしても納得できなかった。

 


交通費が高すぎる。。

というのも、富山にある黒部ダム黒部峡谷の奥の

山奥に位置している。

自転車はおろか、車でさえ行くことができない黒部ダムへのアクセスは二つで

一つは長野から専用のバスに乗り換えて行く方法。

もう一つは、富山から

立山ケーブルカーに乗り、美女平と呼ばれる山の上から、バス、トロリーバス、ロープウェイ、ケーブルカーを乗り継ぎ

ようやく黒部ダムにたどり着くことができるという

果てしない道のりである。

 


単純に移動距離が長いという分にはさほど問題はない。

ところがこれだけの乗り物一つ一つの運賃を足していき合計すると

なんと1万うん百円、、

これは高すぎておいそれと手が出ない。

長野側から行けばバス一つで安くはつくのだが、

道のりの途中にはダムに着くまでにも様々な景勝地があって

そこにもできたら行ってみたい。

 


どうしたものか、、

 


と考えた結果

私のこれまでの無謀で不毛な阿呆魂にある一つの考えが浮かぶ

 


「てか、これ歩いて行けばタダなんじゃね?」

 


ということで、

実際にそれが可能かどうかをネットで検索。

立山駅から美女平までは遊歩道のような物があるかどうか

調べることができなかったが、

その先からの道のりはどうやら仮にもあるらしく

さすがに美女平からダムまで歩いた人の情報は得ることができなかったが

美女平から室堂、

室堂からダムまでの道のりに関しては

それぞれ別の人が歩いた経験をブログに上げている。

誰かが歩いた、、というのであれば、

不可能ではないということ。

行ってみよう!!

 


こうして無謀で不毛な黒部ダムまでの長い旅が始まった。

 


歩いた方が綺麗な景色にも出会える。

というのを口実に

つまりは節約のために長ーい道のりを歩く。。

 

 

 

美女平まではケーブルカー

遊歩道さえあれば歩いていたかもしれないが

アルペンルートと呼ばれる綺麗な景色が続く道のりは美女平から始まるというので

ここは文明の力に甘えよう。

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立山から美女平まで標高差500m

標高977mの山の上まで上がる

 

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さて、ここからが挑戦!

今日は室堂までを目標に歩こうと思う。

ちなみに室堂の標高は2450m

美女平が977mなので、千、、、

うん、がんばろう!

 


最初は森の中を、樹齢うん百年とかうん千年とか、

長い年月を超えたブナの木が生い茂る道の中を歩いていく。

 

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こんな草や木がたくさんある中を抵抗なく歩けるようになったのは

いつからだろう。

虫がいるかもしれない

蛇がいるかもしれない

と数年前まで気持ちが悪くて歩けなかった。

いつからか、

邪魔な雑草は掻き分けながら

顔の前で飛び回る虫は手で払い飛ばしながら

果敢に進めるようになった。

成長などという大袈裟な表現は使いたくはないが

いろんな所に行き、いろんな所で野宿したことで慣れたのは

事実かもしれない。

 


歩く距離が長くなると

疲れも徐々に溜まっていく。

常に美しい景色に出会えるわけでもなく

だいたいは似たような景色の連続で

 


森を歩き、車道を歩き、森を歩き、車道を歩きを

何度となく繰り返し

 

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少し景色の違う風景にたどり着いた。

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弥陀ヶ原と呼ばれるここは、

ラムサール条約にも指定されている湿原地帯である。

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高山植物が咲き渡る湿地帯に伸びた木橋の上を歩いていく

ここに来るためにバスを途中で降りる人もいるほど人気の風景とあって

さすがに美しい。

 


ここにたどり着くまでがおよそ5時間、、

体はとうに限界を迎えていて

ギブアップの白旗を高々と掲げたいのをギリギリのところで

思い留まっている状態。

そんな時に見つけた看板に、この先4キロほど上級者向けのコースが続くという、、

私は上級者ではない。

どうしようか思案する時間も勿体ない。

日が沈むまでには室堂に辿り着かねばならなかった。

進むか、近くのバス停に向かうか、、

 


ええいクソ!

5時間も歩いて今更ギブアップとは

底が知れるというもの

挑んでやろうじゃないか上級コース!!

 


私の無謀で不毛な阿呆魂を見くびってはいけない。

 


根性など無いに等しいが

やり始めたからには最後まで頑張ろうと決めた。

 

 

 

上級者向けというからには確かに、これは、、

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両足だけでは進めない

鎖のような物を掴んで登るのは初めてだ。

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これはこれで楽しいが

一つ不安があるとするなら

もしここで大怪我しても誰も助けてくれないのではなかろうか。

世間は休日とあって、

立山駅には異常なほどの人が溢れていたというのに

アルペンコース沿いを歩く人はチラホラ

この上級者向けコースに至っては、

誰も人がいない。。

不安を覚えながら「命大事に!」と心で叫んで

一歩一歩進んでいく。

 


2時間ほどかけ、

ようやくゴールの室堂まで1時間の距離までたどり着いた。

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疲労の限界はとっくに超えている。

でもゴールはすでに見えるところまで来ていて

ここまで来れば行くしかない。

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あとは気合いだ!

日が沈むのと戦いながら何とかラストスパートで

階段を登り、石でできた道を進み、椅子があったら休憩を挟みながら

なんとかかんとか

日が沈むギリギリ手前で、

ようやく

 


室堂に到着した。

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標高2450m。。

美女平からおよそ20キロ1500mの高さを8時間かけ登りきった。

 


すべては節約のため!

と、ついでに綺麗な景色を拝むため

 


明日もダムまで長い道のりを歩こうと思う。

 

 

 

 


                                     つづく

リョウスケ

 

 

 

《ギャラリー集》

 

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アルペンルートの全体図

果てしない道のり


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「仙洞スギ」

樹齢300年以上 この辺では一番古いスギの木であり

富山駅のホームの柱のモデルにもなっているそうである。


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日本一の高さがあると言われる称名滝

、、が見えるとされている。

曇っているとはいえ、何も見えない。。。

本当は無いかもしれない


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夜は星が満天だった。

天の川がハッキリと見えて美しい星空だった。

残念ながら写真にはおさめていない

星空が携帯のカメラ程度ではうまく撮れないことを知っているからだ。

いつかまた、観れるといいなあ、、