チャリ旅日記

旅のことや日常のことを気ままに綴るよ

遭難ですか?

 


どうもリョウスケです

 

 

 

旅136日目

青森(白神山地

天気  くもり

 

 

 

いつまで歩けばたどり着くのか。。

山奥の山中で私は今ほど身の危機を感じたことはない

携帯は圏外

水は水筒一杯分、

食料は水さえあれば食べれるものが少々と

あとは水分を欲する食パンが2枚、、

 

 

 

 

白神山地の脇を弘前から海岸沿いまで通過する道は一つしかない

世界遺産の近くを散歩できるコースから

青池と呼ばれる白神山地の近くにある名所まで行くには

この道を通るのが一番効率がいい

 


地図上では。。。

 


私のいつもの道選びは基本的に地図を見て決める。

目的地を決め、現在地からそこまで行くのに

どの道を選ぶべきか

なるべく近道を選びたいが、

何度も右左折する道では地図を何度も確認する必要が生じるので

その為、分かりやすい道を選びがちである。

 


今回弘前から白神山地を抜け

南に下り、秋田に行くには一本しか道はなかった。

だから選ぶというよりは、

自然とこの道を選ばざる負えなかった、、、

と言い訳したいが

もっと調べれば他にも方法があったかもしれないと

思うと、とても悔やまれる。

 

 

 

正直、、

私はこの二日間

遭難しかけていたことになる。

 

 

 

白神ラインと呼ばれるこの道に入ったのは昨日の

夕方のこと。。

入り口にはこう書いてあったーーー

f:id:kryo428:20190610235326j:image

「この先42㎞は砂利道です 走行注意!!」

この看板を見た瞬間、

私は声に出して笑っていた。

砂利道が42キロ、、現実感が無さすぎる。

やばそうだが何とかなるだろ

と物事をとにかく甘く考えてしまうのが私の悪い癖で

 


途中にトイレがあると聞くから水はあるだろう

水があれば食料も飲み物も

何とかなるに違いない、、と考え

夕方頃に出発。

いまから行けば距離的にも山奥で一泊することになるが

それは致し方ない。

明日のことも考えるなら先に進んでおこうと。

 


出発してすぐに気付いたのは、

砂利道が予想以上に過酷であるという事実である。

f:id:kryo428:20190610235500j:image


まず自転車ではバランスが取りづらい

右に左にハンドルを調整しながら前に進んでいくのだが

坂道だとそれがより顕著で

スピードは出せないのにバランスは取りづらく

砂利の多い箇所では踏み込んだ瞬間にタイヤが沈み込んで

前に進まないことがある。

そして、少しでも坂の傾斜が急になると

途端に走れなくなり、あとは降りて押して歩くしかなくなり

途中からはほとんど歩いて登ることになった。

 

 

ゼエゼエと息を切らし

汗を垂れ流しながら
3時間かけやっとの思いで峠を登りきり

山頂付近にある

トイレ兼駐車場に到着

 


暗くなる前に到着したことに安堵したのもつかの間

トイレに行くと、、

f:id:kryo428:20190610234908j:image

扉が閉まっている。。

故障中のためなのか、、冬季閉鎖のせいなのか、、

 

 

 

携帯は圏外

水は水筒一杯分、、が半分ぐらいに減っていた

食料は水があれば食べれるものがあるだけで

どうしようもなく

水を消費しないと食べれない食パンには

手をつける気にもならない。

 


とりあえず我慢するしかない。。。

 

寒さを堪え

お腹の空腹を偲び

山奥で一人で過ごす恐怖に耐え

 

一泊野宿をする事にした。。

f:id:kryo428:20190611020255j:image

 

 

 

次の日、とにかくこの道を抜けようと走り続ける。

砂利道は登りも大変だが

下りもさらに大変で、とにかくバランスが取りづらく

傾斜が急な分、スピードが出やすく危険で

ブレーキを目ぇ一杯かけながら

バランスを取らねばならないからかなり神経を使う

f:id:kryo428:20190611000817j:image


ゆっくりゆっくり時間をかけ降りると

すぐにまた登りが、、

f:id:kryo428:20190611001028j:image

通りすがりの車のおじさんが

「あと二つ大きな峠を越えないといけないよ」

と、言い放ち

あははは、、と

笑いながらおじさんは去っていった。。

 


。。。

 


目の前が真っ白になる。

 

 

 

どれだけ歩いても頂上にはなかなかたどり着かない

水は減っていく。

焦り、、不安、、苛立ち

景色は白神山地の側にいながらにして

鬱蒼とした木々が広がっていて

普段なら美しいと感じるかもしれないけれど

その時ばかりは

進んでも進んでも代わり映えしない風景は

まったく進んでいないかのようで

恐怖さえ感じる。

 

 

 

4時間かけて二つ目の峠を超える。

今日中に白神ラインを抜けることは諦めていた。

どう考えても

時間的にも体力的にも不可能である。

だが水が、、

水がないと死活問題で

空腹で力は出ないし紫外線は容赦なく突き刺さり

熱中症で倒れる恐れだってある、、

とにかく水が欲しい

 

水、、水、、水、、

 


とその時、

通り道に湧き水を発見!!

f:id:kryo428:20190611001406j:image

命の水!!

なんとか生きていけるーーー

 

借金地獄の中、僅かな希望で黄金を掘り当てたような

必ず戻ってくると言った友人が、命の瀬戸際で戻ってきたような

生き別れた両親に、十年ぶりに再会したような

つまり、

なんかとても感動した!

 


水があるだけでこんなにも嬉しいと感じたのは

初めてである。

 

神さまありがとう!

これからはもう少し真面目に生きていきます

人には優しくします

感謝は声に出して言います

ありがとう

ありがとう

 

 

 

命の水を携え三つ目の峠を越えたのが夕方6時

途中に見つけた駐車場でもう一泊することにした。

 


体はへとへと

携帯は圏外

水はある。。水はある!!

 


それだけで私は生きていける。

 

 

 

今度から道はちゃんと調べようと心に誓った

 

 

 

 


                                        つづく

リョウスケ

 

 

 

f:id:kryo428:20190611002028j:image

一つ目の峠の近くにあったマザーツリーと呼ばれるブナの大木

推定樹齢400歳とされているが

昨年の台風の影響で幹が折れてしまっている


f:id:kryo428:20190611002031j:image

道中で出会った猿の群れたち

5、6匹が目の前を通過していった。

イタチのようなキツネのような動物も見かけた。

他にもニホンカモシカツキノワグマも生息すると聞くし

野生の国だ

熊には出くわさなくてよかった。


f:id:kryo428:20190611002025j:image

峠の山頂から見た風景

遠くの果てまで大自然が広がっている